福岡県警捜査二課と博多署は、経営破たんした旧朝銀福岡信用組合の事業を引き継いだ朝銀西信用組合(本部・広島市)の北九州支店元幹部(46)が顧客の預金数百万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕状を取った。23日中に逮捕する。朝銀信組の破たん処理には巨額の公的資金が投入されている。県警は元幹部が公的資金投入後も含めて着服を繰り返し、総額は3億1800万円に上るとみて、使途などを調べている。

 調べでは、元幹部は2004年11月から06年3月までの朝銀西信組北九州支店次長当時、払戻請求書を偽造して顧客の預金から数百万円をだまし取った疑い。緊急に払い戻しの依頼があったように装い、職員に請求書を書くよう指示して着服を繰り返していたとみられる。

 同信組によると、元幹部は1998年8月から06年3月までの間に、顧客13人の預金約3億1800万円を同様の手口で着服していたという。旧朝銀福岡信組の久留米支店副支店長、朝銀西信組の福岡支店次長だった時期も含まれており、破たん処理のため公的資金が投入された01年以降も着服を繰り返していたことになる。

 同信組の調査に対し元幹部は「(着服した金は)ギャンブルなど遊興費に使った」と話している。これまでに被害弁済はされていない。県警は詳しい使途についても調べる。同信組は昨年5月、元幹部を懲戒解雇し、同7月、業務上横領容疑などで県警に告訴していた。

=2007/10/23付 西日本新聞夕刊=