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「街頭監視中止を」 浦安市に申し入れ

2007年10月18日

 「『公共の福祉』の下に市民の街頭活動を市が監視するのは、人権の侵害です」

 浦安市がJR京葉線の新浦安、舞浜両駅前の環境維持を目的に、警備会社に委託して街頭活動をする団体名や個人名を記録している。署名活動をとがめられた経験のある市内の会社員松下礼良さん(31)は17日、市に対し、監視行為の中止を求める申入書を提出した。

 東京ディズニーリゾート(TDR)の玄関口でもある両駅では、委託を受けた会社の警備員が午後1時半から同8時まで常駐。ビラ配布、署名などの街頭活動、行商について時間と内容、団体・個人名を記録、市に報告書として提出している。

 同市道路管理課によると、京葉線が開通した88年12月、「市の顔となる中心駅が雑然としているのは好ましくない」として、露天商や屋台などを排除する目的で駅前管理の委託を始めたという。

 松下さんが昨年7月、新浦安駅前で改憲に反対する署名活動を一人でしていて、警備員に「市からの指示」として、警察の道路使用許可のない活動を中止するよう求められた。その後、松下さんは「交通を著しく妨げる行為でなければ、自由に街頭活動ができることは判例にもなっている」として市に抗議。今年4月からは、呼びかけはせず警備員が目視した内容を記録するのみになった。

 松下さんはこの日、67個人・団体の賛同者名を添えて申し入れをし、「行政が市民の動向を監視し文書化する行為は、たとえ市が意図的でなくても、記録された側にとっては人権侵害です」とし、街頭活動の情報収集と記録を中止するよう訴えた。

 これに対し、同課の杉山成彦課長は「委託業務の報告書として駅前状況の記録は必要で、公開する際に個人情報は伏せている」と説明。「駅前などを適正に管理するためには、個人の自由も一定程度、制限されることもあるのでは」と話した。

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