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加古川女児刺殺から1週間 目撃なく絞れぬ犯人像

2007年10月23日05時59分

 兵庫県加古川市の市立別府(べふ)小2年の鵜瀬柚希(うのせ・ゆずき)さん(7)が自宅前で刺殺された事件は23日、発生から1週間を迎える。物証を残さず、誰にも姿を目撃されず、一瞬のすきを突いた手口。なぞが多い半面、現場一帯での土地勘など一定の特徴もうかがわれる。県警加古川署捜査本部はいたずら目的などではなく、初めから殺害を意識した犯行との見方を強めている。

地図

自宅周辺図

 調べでは、柚希さんは16日午後1時50分ごろ小学校から帰宅。自宅から北東に約500メートル離れた「たけひろ公園」でたくさんの友達と遊んだ。その後、幹線道路を挟んですぐ西側にある友達のマンションに5人で場所を移し、入り口付近でかくれんぼをした。午後6時前、自転車で幹線道路を南に進み、自宅につながる生活道路を左折したとみられる。

 生活道路を進む柚希さんの姿を、近くの女性が後ろから確認していた。柚希さんの周囲に不審者はいなかったという。自宅玄関前で、柚希さんは姉妹と顔を合わせた。

 柚希さんは自宅東側の路地を通って裏の駐輪場所に自転車を置き、玄関に戻る途中に襲われた。捜査本部はこの間を1分未満と推定する。柚希さんの悲鳴で、祖母と母親が玄関先に出るまではわずか数秒程度。

 捜査本部は犯人が徒歩か自転車で現場を離れたとみている。柚希さんや家族の自転車のタイヤの模様を採取、靴の任意提出も受け、周辺のタイヤ痕や足跡と照合する。

 柚希さんは、かなりの強さで左の胸と腹の計2カ所を正面から刺された。犯人は最初から明確な殺意を抱いて刺したとみられる。凶器は細い小型ナイフのような刃物とされる。

 犯人の特徴を示すのは、柚希さんが救急車の中で話した「大人の人」「男」。捜査本部の幹部は「顔見知りならこういう言い方はまずしない。まったくの見ず知らずか、犯人が一方的に柚希さんを知っていた可能性がある」とみる。

 現場周辺は、畑に倉庫や空き家が点在し、路地が複雑に入り組む。犯人がこうした物陰に潜んで待ち伏せしていた疑いが強い。瞬く間に姿をくらませていることから、土地勘や付近に生活拠点がある人物とみられる。

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