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記者日記:求められている実情 /埼玉

 先月末に妊娠したことが分かり、あわてて産婦人科を探した。ところが、電話帳を見てもどの病院が分娩(ぶんべん)を扱っているか分からない。里帰り出産のため、定期健診できる病院でいいのだが、診療時間外にトラブルが起きた場合の不安も。

 奈良県の妊婦が搬送された病院に受け入れを断られ、流産した問題も気になり、自宅近くの病院に電話で救急対応を聞いた。すると、小さな個人病院は口ごもり、「夜間は対応していないので大きな病院に行ってほしい」「そうした場合は救急車を呼んでください」。

 「奈良の妊婦はかかりつけ医がいなかった」とする批判もあるが、かかりつけ医がいても小さな病院では夜間は電話が通じない。そうせざるを得ない事情は察する。しかし、妊婦全員が大病院に行けば、今度はその病院がパンクする。速やかな対策が行政に求められている実情を身をもって感じた。【鷲頭彰子】

毎日新聞 2007年10月20日

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