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亀田・父が怒声あげ取材拒否

 世界挑戦を11日に控えた亀田大毅が、東京のお台場で9月23日に公開スパーを行った後の控室でのことだった。報道陣に囲まれた大毅の父でトレーナーの史郎氏が、筆者の姿をみると、突然、「○%#△&◎×!!!」と良く聞き取れない怒声をあげた。

 すると、氏の側にいた黒服の男がスッと動き、筆者を部屋の外へと連れ出した。どうやら史郎氏は「出ていけ」とか「つまみ出せ」とか言い放ったようなのだ。

 過去に亀田兄弟に関して厳しい指摘を書いていたからか…。日頃「逃げるな!」が口癖で威勢のいい亀田家にしては弱気な話だろう。

 その後、亀田が所属する協栄ジムの金平桂一郎会長は、帰り際の筆者に歩み寄り、「うちは都合の良いことだけを報じてもらえばいいなんてことは全然ないですから」と取材拒否がジムの意思ではない旨を語った。取材拒否が、何のメリットもないことは理解しているのだろう。

 格闘技全般を長年に渡って取材してきたなかで、最近、実感するのはプロボクシングのメディア対応が非常に遅れていることだ。たとえば世界戦一つとっても、メディアパスを入手するのは古くから取材してきた媒体ばかり。それ以外には告知となるプレスリリースすら流れてこない。これがK―1やPRIDEとの決定的な差だ。

 K―1などは日頃、格闘技を扱っていない一般メディアへの対応にも非常に前向きで、電話で申し込みがあれば即、FAXで申請用紙を送る。広報担当者が選手の個別取材なども快く手配。この効果は抜群で、話題の選手を表紙に起用する一般の雑誌も多い。

 対してボクシングは、JBCや協会という統括機関がありながら、宣伝や広報は興行ごとの主催ジム任せ。大半のジムは広報担当すら不在で、広報・宣伝のノウハウもなく、専門誌を熟読するマニアでもなければ試合日程すら簡単には把握できない。「人気が低迷している」と嘆く関係者が多いわりに、実は営業努力がないのだ。

 そうしたなかで、大毅の公開スパーという試みは、とても評価すべきだと思う。ただ、大毅のスパーに集まった報道陣もスポーツ紙と専門誌の記者ばかりが十数人だけ。とてもゴールデンタイム放映のビッグマッチの関連イベントとは思えない。

 筆者は取材拒否されてもチケットを買って入場するからかまわない。だが、こうした状況を業界全体の問題として認識しない限り、ボクシングの人気復活は非常に難しいと感じるのだ。
(格闘技ジャーナリスト・片岡亮)(2007.10.02紙面掲載)

投稿日: 2007年10月20日

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