騒音関係改正案その後
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道路運送車両法施行規則等関係規則(自動車騒音関係)の一部改正に係るパブリックコメントの募集が締め切られて半年が経ちましたが、未だ集計は発表されていません。
その後は、皆様も気になさっているかと思いますが、ワタシも水面下でジッとしていたわけではなく、3回ほど国交省のヒアリングにも立ち会いました。
話はまるきり変わりますが、あるマフラーメーカーO氏の証言。
2輪誌社長「これからマフラーメーカーさんは大変ですね」
O氏「いや、2輪誌さんも大変ですよ」
2輪誌社長「え?」
O氏「改正案のことでしょうけど、このまま公布されたらマフラーメーカーもなくなってしまうけど、輸入車のほとんども入らなくなってしまう可能性もあるし、国内仕様も半分くらいになってしまい、撤退するメーカーもあるかもしれませんよ」「そうなったらバイクをとりまく業界はおろか、ユーザーさんだっていなくなってしまいます」
2輪誌社長「??!!」
と、これほどの認識が実態です。
ワタシは”パブリックコメント関係”のなかでずっと訴えてきたつもりですが、改めて申しますと、騒音問題がありその関係法令が強化されるわけですから、それに反対することはやもすると社会にバイク乗りのエゴとも受け取られかねない危惧があります。
そうではなく、温暖化ガスの削減が叫ばれている中、バイクは元々エコ的な乗り物で、うまく活用すれば自体が製造段階から省資源で、交通渋滞の緩和にも貢献すれば、更にエネルギーを有効に消費できるはずです。
ところが過度の規制により、肝心の騒音問題を解消できる保証はなく、バイクそのものをぶっ壊す”角を矯めて牛を殺す”他ならない規制に違いありません。
今までは新型型式指定の規制値のみだった加速走行騒音73db、通常走行騒音72dbをいままで免除されていた使用過程車と平行輸入車のすべてに適応することが無茶な話で、日本の次に厳しいヨーロッパの基準は80db(加速走行騒音)で、輸入車(逆輸入を含む)はその規制値を守っていたはずです。
73dbの規制値では、マフラーから出る音はほとんど聞こえないレベルですから、エンジンの騒音、ドライブチェーン、タイヤ騒音、カウルのビビリ音がその基になります。
使用過程車にも規制値を守る義務が生じることは、規制値をクリアした国内仕様を製造したメーカーにも多大な負担が生じることになります。つまり未来永劫に規制値をオーバーしない製品を販売することになり、何かの不具合で規制値をオーバーすることが発覚したらリコールで修理しなくてはなりませんから、マフラーなどを腐食させる可能性のあるエタノール燃料に適応したバイクやクルマは怖くて売れません。
腐食しないマフラーを作れたとしても、貴重なクロームやニッケルは世界的に高騰していてコストアップは免れず、そのしわ寄せは結局ユーザーが負担することになるのではないでしょうか。
つまり使用過程車に規制値をかぶせるのは、かなり大袈裟なことになり、ユーザーの出来心で隔壁貫通なんてことをやれば、その努力も無になりかねません。結局机上の空論になってしまいます。
それどころか、趣味的要素の大きい大型バイクは、現状のマフラー交換(あくまでも近接騒音に適合したもの)が許されているものから乗り換えが促進されるとはとても思えませんので、効果が出ても10年近く掛かるのではないでしょうか?それでは”早急に対処しなければならないから”という理由に合いませんね。
ともあれ、正規な手続きを経てオートバイ議員連盟に陳情をして、松浪衆議院議員から国土交通省に委員会質問を行っていただきました。ビデオでご覧になれます(コチラ)。
この後、大臣の仰るように”よく話し合って”いますが・・・・・。予断は許せません。まず皆様に現状を知っていただくのが第一です。
バイク盗難情報 コチラも現状を知ってください。
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アナーキスト空を行くさん、
資料をありがとうございます。中環審の発表資料だったのですね。ワタシも見たことはあるはずでしたが失念していました。
警察は仕事をしていませんね!
近接騒音の測定自体は簡単ですが、測定回転数の把握がややこしいのでしょう。
>簡単に改造できてしまうのでは・・・・
これは政府認証マフラーにも同じことが言えます。マーキングで取り締まりを簡単にするのが目的の一つですが、改造に関してはマーキングはむしろ効力がありません。ここにも私達が反対する理由があります。
しかし、もっと多くの方と議論しなければと思います。
4輪業界はマフラーメーカーは賛成の立場で、少なからずの影響があるはずの平行輸入関係からは音沙汰なしですね。
投稿 ピストン | 2007-08-10 20:41
ピストン様、お忙しい中レスありがとうございます。
>保護したいのは今までの合法マフラーを作っていたメーカーのことです。
はい、その点は理解しているのですが、合法/非合法を理解していない国民を盾に新しい規制を作ろうとする側に大義名分を与えてしまう危険性をはらんでいると思うのです。分かり難い文章で申し訳ないです。
それと公道を走るのにスポーツマフラーが必要だと言って国民を納得させられるでしょうか?
>違う筋で司法関係には働きかけています。
それを聞いて少し安心しました。確かに国土交通委員会でそこまで言及するのも難しそうですね。とは言え政府参考人として警察庁の偉い方々も列席してたので一言あれば良かったと思いました。
>騒音関係違反検挙件数は平成元年の1/10程度
中央環境審議会騒音振動部会(第3回)議事次第・資料
http://www.env.go.jp/council/08noise/y080-03.html
↑ここの「参考資料2自動車騒音の現状等について」の「2/2 [PDF 401KB]」のP.11「騒音関係違反検挙件数の推移」です。
http://www.env.go.jp/council/08noise/y080-03/ref02_2.pdf
出所は警察庁の統計資料をまとめたもののようですが、この内「近接排気騒音」の検挙件数がかなり減っています。消音器(不備)や騒音運転は暴走族対策の結果かと思いますが、一般的な認定外マフラーの摘発は近接排気騒音のチェックでかなり効果を上げられると思うんですが、それがこんなに減ってしまってるのが近年の騒音問題の根本だと私は考えています。警察は駐車違反の取り締まりを民間委託したのだから(これについてもバイク乗りとして言いたいことが山ほどありますが割愛)少しは騒音取り締まりに人員を回せないものでしょうかね?
ところで新規制案では「消音器の全部又は一部が基準に適合する旨が確認された状態から変更されているもの」は基準に適合しないものとしていますが、現在のJMCAの認定基準ではどうなってるのでしょう。売る時は認定品でもユーザーが簡単に改造できてしまうのではJMCA認定が形骸化してしまう恐れが…。
私は多くの国民に支持され政府の介入を受けずに済むバイクライフを送りたいと思っています。
拙文重ねて失礼しました。
投稿 アナーキスト空を行く | 2007-08-10 04:33
アナーキスト空を行くさん、コメントありがとうございます。
早速ですが
>さて、松浪議員の質問は・・・・中小企業の保護・・・・
ココのところは、もう一度確認していただきたいのですが、保護したいのは今までの合法マフラーを作っていたメーカーのことです。今までの記事で何回も申してますが、73dbの加速騒音は排気音はゼロに近いものです。
反論しない、できない排ガス規制をクリアするだけで精一杯ですから、それに加えて排気音ゼロでは、もし作ったとしても売れないスポーツマフラーになってしまいます。
>松波議員がまずやらないといけないのは・・・・
縦割り行政のために、違う筋で司法関係には働きかけています。
>騒音関係違反検挙件数は平成元年の1/10程度に・・・・
すみません、ワタシは掴んでいませんがソースがありましたら教えてください。
表現能力も時間も限られてお伝えできる情報は足りないかもしれませんが、今後とも情報やご意見をいただけると幸いです。
投稿 ピストン | 2007-08-10 00:47
バイク雑誌社の話は情けないですね。
新型バイクだスペックだパーツだ…なんて事ばかりにかまけて、バイクが置かれてる社会的状況に危機感を持ってる人は少ない気がします。
さて、松浪議員の質問は少々空回り気味に見えました。
中小企業の保護と言ってましたが、むしろ国民は反社会的な製品を出すような業者は潰すべきと思う方が多いのではないでしょうか?
巷に爆音バイクが溢れてるのに「規制をするなマフラー業者を守れ」と言ったところで説得力はありません。国民に迷惑をかける業者を庇うのか?と逆に悪く思われるのがオチです。
いくらエコな乗り物でも騒音を撒き散らす乗り物を今時誰か受け入れてくれるでしょう?
松浪議員もバイク乗りだったせいかバイク贔屓になってるようで(それ自体は嬉しいことですけど)、結局のところ世間からの「騒音車両を何とかしてくれ」と言う声に応えていないと思いました。これではダメです。
新しい規制案では問題解決しないと言うなら松波議員がまずやらないといけないのは、現行法規での騒音車両や違法改造車の徹底的な取り締まりを警察庁に促し(ちなみに騒音関係違反検挙件数は平成元年の1/10程度に落ち込んでいます)、その結果から騒音問題の原因を探り、どう言う規制や取り締まりが妥当かと言う道筋を示すことでしょう。
正直者が馬鹿を見ないためにも、まずは不心得者を取り締まれとバイク乗り自身から訴えることが必要ではないでしょうか?
バイク乗りが本当に正直者なら現行法で取り締まられても困らない筈ですから。
拙文失礼しました。
投稿 アナーキスト空を行く | 2007-08-09 05:55
AGこと西村@愛知さん、
ワタシのハイエースも買ったときは大丈夫でしたが、1年後に9年間しか使用できない事が決まりました。これは県条例ですが。
過激な本音は中々文字にはできません。今後ともよろしくお願いします。
投稿 ピストン | 2007-08-06 19:28
ピストン様
早速のご返答、ありがとうございます。
ご自分の収入に影響しても、良い方向へ持って行こうとされておられるとのこと、敬服いたします。
掲示板での、爆音マフラーに関する書き込みについては、関わりたくありませんし、私は、尊法派ではなく、騒音が嫌なだけです。
政府のやり方については、20年ほど前に私が購入した車を、使用できなくされた時点で、期待も協力もしたくなくなりました。
今日のような暑い日には、冷房の無い二輪で、市街へ出かけるのは大変ですが、四輪よりスムーズに移動でき、消費する燃料も省けることでしょう。
しかし、製造段階から省資源なのか、疑問に思います。
本当に省資源なのかは、使い方によるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
注目を集めておられるサイトで、私の考えに同調する部分を拝見するにつけ、応援させていただきたいと思っております。
是非とも、過激な本音の主張を期待しております。
投稿 AGこと西村@愛知 | 2007-08-05 23:33
芦田さん、ホントにご無沙汰ですね。
元気でやっていますか?
政治的に行動するのは嫌いなのですが、止むに止まれない段階です。そちらでの残った日々をがんばってください。
投稿 ピストン | 2007-08-05 18:04
AGさん、コメントありがとうございます。
ご指摘はありがたく受け止めさせていただきます。
本人は実は結構過激なのですが、それでは”言葉は三角、心は四角”になってしまいます。
掲示板などでは遵法派と爆音派の対立が顕著に現われているはご存知でしょうか?急進的にことを運ぶのは無理ですし、得策でもないと思います。
政府のやりかたの象徴は年金問題をみれば一目瞭然ですね。
日本のバイクメーカーのやり方も問題で、ワタシは現代のバイクのあり方はベーシックなパーソナルモビリティあってこその大型バイクと以前から思っています。
ですから、ほとんどの道路を走っている乗用車が一人しか乗っていない実情をみればバイクのほうが有効です。もちろん省資源で。
ワタシは違法マフラーのバイクの整備は直す条件でしか受けません。お陰でお客さんはずいぶん減りました(苦笑)。
環境と経済成長を両立させる困難さは、身をもって知っております。
投稿 ピストン | 2007-08-05 18:01
ご無沙汰しております。
日々の作業だけでもお忙しい身かと存じますが、それだけではなく一件のような熱心な活動までなされている事に感動いたしました。
業界全体でも様々な反応や考え方があるようで、問題の根深さが覗えます。
今の私ではクリックする事でしか、先生をお手伝いできませんが、その熱意が何らかの形で実を結ぶ事を祈っております。
件の問題に対して、先生の様に直接的に働きかける能力を持ち合わせていませんが、僕も今出来ることを、全てやりつくそうと思います。
失礼致しました。
投稿 芦田 | 2007-08-05 15:33
ピストン様
「明日のバイクを考える」関連記事を読ませていただきました。
貴殿の職業がらか、甘い認識と受け取れる部分があり、書かせていただきます。
規制があっても、現状の騒音被害は無くならないので、規則を作るのが担当の役人は、せっせと規制を作る。(的外れであっても) 違反を取り締まる役人が、騒音被害に対して、真剣に対応できていないことにも、大きな原因があると私は考えます。
取締りが緩いのをいいことに、騒音被害をまきちらしているのが、意識の低いユーザー、二輪業界そのものです。この人たちは明日のことより、今日のことしか考えていないようです。
ピストン様にお聞きしたいのですが、
>うまく活用すれば自体が製造段階から省資源で、
とは、バイク自体が省資源な製品との主張でしょうか?
また、「出来心で隔壁貫通」など全くもって言語道断な行為に対して、甘い認識と思います。こんなことをするユーザーは、修復をするのでしょうか。走行中、常に騒音を撒き散らしていることを、バイク屋は教えるべきです。そのままなら、バイクのメンテナンスなどを拒否すべきです。
投稿 AG | 2007-08-05 07:46