10月14日、3000人以上の行列に迎えられ「鉄道博物館」(以下、てっぱく)が埼玉県さいたま市大宮区大成町にオープンした。
鉄道好きはもちろん、大人から子どもまで興奮!!(撮影:北澤強機) 奇しくも、てっぱくがオープンした14日のオーマイニュースには、小喜多雅明記者による「JRの旅に都市と地方の圧倒的格差を見る」という興味深い記事が掲載されていた。その記事は、徳島、香川(高松)、岡山、広島という中国、四国地方の鉄道インフラにふれ、「新幹線で塾に通う高校生」と「徳島の電化されていない汽車」などの対比により「格差」が訴えられていた。 てっぱくに展示され、私に地方格差を考えさせたのは、2階の南側に75メートルにわたって拡げられた「鉄道歴史年表」だ。これには「国鉄民営化」に至るまでの法整備の状況や、民営化後の「E電」という、まったく流行らなかった愛称のことなどまで、ともすれば「恥」も記載され、民営化とはどういうことか、をよく理解させてくれた。 鉄道歴史年表で、格差の原因は民営化にあったのではと考えた(撮影:北澤強機) 夕張の例を出すまでもなく、財政破綻に押し込まれる自治体は増えることが予想され、高齢化に過疎化が加わり、年金、医療や介護の不安要素が地方に暮らすひとをおびやかしている。 地方格差を生んだのは、もしかして、中曽根内閣が行なった1987年4月の「国鉄の民営化」が原因なのではないだろうか。いまさら、の話であるのは承知だが、鉄道という交通インフラさえ充分でない地方都市が、この20年間発展するわけがなかったのは、あたり前ではなかろうか。 高速化が進む新幹線だが、てっぱくには懐かしい車両が展示されていた(撮影:北澤強機) ただ、いま私の手元には『ニューズウィーク日本版』の10月10日号がある。この号にはニューズウィークの名物企画のひとつ「世界の企業ランキング」が掲載されていて、経常利益によるランキングの道路・鉄道部門で東日本旅客鉄道(JR東日本)は世界1位。アメリカのバーリントン・ノーザン・サンタフェ(サンタフェ鉄道)をはさんで、第3位に東海旅客鉄道(JR東海)がランクインしている。 なんだか「銀河鉄道999」の駅みたいだと思う私は39歳(撮影:北澤強機) 高速道路は、都市部で得た料金で、地方に建設したということが問題視された。鉄道同様、民営化されたのだから、なにを言っても始まらないのだが。 「地方に郵便が届かなくなるのでは?」と言われながらも、郵便局も、今月から民営化されたのはご承知のとおりである。
総合9点(計6人)
※評価結果は定期的に反映されます。
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