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「遺族の希望踏みにじる」 光市検察側弁論要旨(11) (2/2ページ)

2007.10.18 20:21
このニュースのトピックス光市の母子殺害事件

 ところが、被告人は教誨を受けるに当たり、当公判廷で述べる虚構を前提としているのであって、事実を直視した真摯な反省とは到底言えないものである。これらの行為が遺族を慰謝することはない。むしろ、形式的表面的な反省の弁を聞かされる苦痛を思うべきであり、現に遺族の被害感情は峻烈である。

 さらに、被告人は臨床心理鑑定人に対し、被告人が死刑になった場合、被害者の夫になる可能性があるとまで供述しているのである。被告人のこの供述は、被害者や遺族を愚(ぐ)弄(ろう)した友人に対する被告人の手紙と同様に、遺族の目の届かないところで、被害者や遺族を侮辱するものである。このような被告人の態度は、2審以前と変わっていないのであり、被告人に反省悔悟を求めることは無意味といわざるを得ない。

 以上の通り、被告人は当審の審理においても、被害者を冒涜(ぼうとく)し、遺族を苦しめ続けたというべきであって、被害は今も続いているといわねばならない。

【第5 総括】

 最高裁は2審で認められた情状事実からは被告人に対し死刑を選択しない事由として十分な理由に当たると認めることはできないとして、本件を当裁判所に差し戻したものであるが、当審での審理によっても2審が認定した情状事実以上に被害人に有利に解すべき情状事実は現れなかった。

 むしろ、当審においては、被告人が事実関係を争い、荒唐無(む)稽(けい)な弁解を弄することにより、被告人が本件犯行を真摯に反省しているものでないこと、被害者の遺族の感情を踏みにじって顧みないことが明らかとなり、2審の段階以上に被告人を死刑に処すべきことが明らかとなったといわざるを得ない。

 したがって、1審および2審の審理結果並びに当審における事実の取り調べの結果を総合すると、被告人に対して無期懲役刑を言い渡した1審判決の量刑は甚だしく不当であって、これを破棄しなければ著しく正義に反するものであるから、これを破棄した上、刑事訴訟法第400条但し書を適用して、被告人に対し死刑を言い渡すべきである。

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