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「鑑定にあわせて弁解」 光市検察側弁論要旨(5) (1/2ページ)
このニュースのトピックス:光市の母子殺害事件
【第3 被告人の弁解】
上告審係属後における被告人の弁解はことさら、弁護人申請の法医学鑑定の結果や実況見分の結果等に合致させるために捏造(ねつぞう)・歪曲(わいきょく)された虚構であり、当公判廷で真実を供述していないことが明らかである。
■1 鑑定結果等に合わせた歪曲
▽(1)鑑定に合わせた供述
被告人は被害者の頸部を絞めた手の状況について、供述内容を弁護人の依頼による法医学鑑定に符合させようとしている。
弁護人は捜査段階での被告人の供述および上告審係属後の被告人の供述と被害者および被害児の遺体所見との整合性について、平成18年4月20日、法医学鑑定人Aに鑑定を依頼し、A鑑定書(被害者事案)およびA鑑定書(被害児事案)がいずれも同月27日付で作成された。
A鑑定書(被害者事案)によると、被告人は弁護人による鑑定依頼当時、「被害者をあおむけに押し倒し、その上に自分の頭が被害者の胸辺りの位置で被害者に重なるように覆いかぶさり、左右の手で、被害者の左右の手を広げるように押さえ付けた。しかし、被害者が大声を上げ続けたため、右手の逆手で相手のあご付近を押さえ付け、そのまま手がずれて首辺りを押さえ付けたところ、被害者はぐったりして動かなくなった」と供述していたとされている。しかし、鑑定依頼以前の被告人のこのような供述は証拠化されていない。