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「遺体を陵辱」 光市検察側弁論要旨(4) (2/2ページ)

2007.10.18 19:41
このニュースのトピックス光市の母子殺害事件

▽(2)被告人の弁解が不合理であること

 被告人は被害者を姦淫したのは復活の儀式であり、性的欲望を満たすという意識はない旨弁解する。

 遺体を陵辱することが死者を生き返らせる手段であるというのは、極めて非科学的であり、健全な社会常識を持つ一般人からすると明らかに荒唐無(む)稽(けい)な弁解であり、それ自体信じがたい。

 加えて被告人自身、上告審である最高裁あての上申書の中では「絶望の中での姦淫なのです」と書いているのであって、復活の儀式とかこれを想定させるようなことは一言も書いておらず、当審に至って唐突に言い出した弁解であって、それ自体、信じがたい。のみならず、被告人は被害者を姦淫した後、その復活を確認する行為を一切行っていないのであって、この一事からしても、復活の儀式なる被告人の弁解が虚構のものであることは明らかである。

 被告人は主張の根拠として、「魔界転生」なる小説をあげるが、死者の蘇(そ)生(せい)をフィクションで根拠付けようとすること自体、荒唐無稽なこじつけであり、被告人があえてこのような弁解をすること自体、被害者を冒涜(ぼうとく)し、その死という厳粛な事実を軽んじていることの表れである。

 弁護人は被告人の精神発達に遅れがあるとして、非科学的かつ不合理な死者復活を信じていたと主張するもののようであるが、被告人の当公判廷での供述態度からすれば、精神発達の遅れをうかがわせるものはない。

 さらに臨床心理鑑定書でさえ、「『死と再生』という意味づけが事実だとしても」として被告人の弁解の当否の判断を保留しながらも、「性的結合への意思は否定できない」としているのであり、同じく精神鑑定人は、被告人がこれまで身に付けたファンタジーの説明を総動員した「後追いの説明」であるとしているのであって、いずれも復活の儀式であり、性的欲望を満たすためのものではないという弁解を否定している。

 以上の通り、被害者に対する姦淫は被告人の性的欲望の充足として行われたものであり、強姦の犯意を否定する被告人の弁解は虚偽である。

■4 窃盗

 財布の窃盗については、被告人による被害者の殺害・姦淫及び被害児の殺害の後、被害者方から財布がなくなっていたこと、財布が発見された際、現金および地域振興券が抜き取られていたこと、被告人方から被告人方に交付されていない地域振興券が発見されたこと、財布の形状が一見して財布であることが明らかなものであることなどから、被告人の故意による窃盗であることが合理的に認定できる。

 被告人は財布を窃取した事実につき、ガムテープと間違えて持ち出したと弁解する。しかしながら、現場に遺留されていたガムテープと財布とは形状・色彩が明らかに異なっており、ガムテープと財布とを間違えたという弁解自体信じられない。被告人は、財布とガムテープを間違えたといいながら、その後ガムテープの回収を試みることもなく、むしろ、財布から現金と地域振興券を抜き取り、残りを隠匿しているのであって、このことからしても、被告人に財布を盗む意思があったことは明らかである。

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