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「ひもの伸張の限界超え…」 光市検察側弁論要旨(3) (1/2ページ)
このニュースのトピックス:光市の母子殺害事件
■2 被害児(=夕夏ちゃん)に対する殺意の存在
▽(1)被害児に対する殺意が認められること
被害児がひもで頸部を絞められて殺害されたことも、遺体所見から明らかである。
被害児については、頸部にひもによる圧痕が残されているところ、凶器として使用されたひもは伸縮性に富むものであり、被害児の頸部に2重に巻かれていた部分の長さは収縮時で約30センチメートル、伸張時で約35センチメートルである。
このように伸縮性に富むひもをゆるく首に巻いただけでは頸部を圧迫することはできないのであり、このひもが伸張の限界を超えて被害児の頸部に巻き付けられ圧痕を残しているのであるから、このひもが被害児の頸部を強く圧迫する意思で頸部に巻かれ、絞められたものであること、すなわち、被告人に被害児を殺害しようという意思があったことは容易に認められる。
被告人は被害児についても、捜査段階で殺意を認めていたのみならず、1審の最終陳述では「1歳にもなっていないのに、はいはいして自分のお母さんのところに努力して、ぼくみたいな殺人鬼みたいな人がいたのに、はいはいしてお母さんのところに行こうとしていた被害児を床にたたきつけたり、押し入れに入れたり、作業着のポケットに入っていたひもで首を…再婚して自分の本当の弟と認められない弟とだぶってしまい、強く絞めてしまい、しかも癖とはいえ蝶々結びしてしまい、申し訳ないと思います」と積極的に供述している。