総務省が28日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.2ポイント高い3.8%で、昨年9月以来の悪化となった。厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率(同)も前月を0.01ポイント下回る1.06倍で、4月以降改善が続いていたが悪化に転じた。総務省は失業率の悪化について「これまで就職をあきらめていた人が新たに職探しに出ているためで、雇用情勢の悪化とはみていない」としている。
男女別の完全失業率は、男性が前月を0.1ポイント上回る3.8%、女性は0.4ポイント上回る3.7%で、女性の悪化が目立つ。一方、完全失業者数は前年同月比23万人減の249万人で、21カ月連続で減少している。
完全失業者の内訳は、男性はすべての年齢層で減少しているが、女性の15〜24歳で前年同月比4万人増え、35〜44歳で1万人増、45〜54歳で2万人増。総務省によると、これらの層の失業理由は、求職活動をしていなかった人が新たに職探しを始める「その他」の分類が多い傾向があり、「雇用環境の改善で、女性の若年層で働く意欲が高まっている」とみている。