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最終更新日:2006年04月26日

県立こども病院の新院長候補者
宮坂 勝之さんの会見内容

日時:平成18年4月24日(月)14:15〜14:50
場所:県立こども病院 南棟2階会議室

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 ただいまからこども病院の関係の本日記者会見をさせていただきます。
 私、本日の進行役というか、努めさせていただきます県の経営戦略局人財活用チームリーダーの小林資典と申します。
 なぜ、私がこの場で進行役を努めさせていただくかと申しますと、既にご承知をいただいているかと思いますが、ただいまこちらに後ほど詳しくご紹介をいたします。新たに5月からこの病院の院長先生をお願いする予定でございます宮坂先生でございますが、現在知事のほうから人事委員会の方へ新院長の候補者として手続きを進めさせていただいているところでございます。
 これについては、人事委員会の定める規則の中で人事委員会へのこういった選考採用にあたっては協議が必要になっておりまして、そういったことから候補者選考請求書という形で現在人事委員会の方へ協議を出しているところで、これが4月の13日付けで協議をしてございます。今後の日程でございますが、お聞きしているところでございますが、4月の27日に長野県の人事委員会が開催されるといる具合にはお伺いしておりますので、今週の木曜日でございますが、その委員会にお諮りをいただく中で、正式に選考が決定されるということで、あくまで現在候補者という立場でいらっしゃる、この段階でのご紹介についてでございますが、先生現在、国の方の病院で現実も診療行為をなさっておられます。そういったことで多分に患者様を抱えられてお忙しい中、今日はこちらへ病院関係みていただくということでおいでいただいたわけで、そういった中でですね、候補者という微妙なお立場ではありますけれども、私どもとしては人事委員会の委員3人いらっしゃいます。が3人の委員さんに予めこういった形で宮坂先生にお願いしたいと考えている、ということはお話をし、候補者としてそう言った形の中で、是非現場を見ていただきたい、ということも考えている旨お話をする中で、本日こういう形で現場を見ていただき、記者の皆さんにご紹介をさせていただくという形でございます。
 簡単に宮坂先生のご経歴を申し上げたいと思います。口頭で申し上げますので、もし、お聞き取りにくい点、またもっと詳しくということであれば、私どもの担当が残りますので、また後ほどご確認をしていただければと思いますが。
 宮坂勝之先生のご紹介をいたします。勝之の勝は勝負勝ち負けの勝、之はこれという字でございますが、宮坂勝之をご紹介いたします。宮坂というご名字、大変長野県内でも多い名字でございますけれども、先生は1944年昭和19年岡谷市のお生まれだそうでございます。その後1963年昭和38年になりますが、長野県立諏訪清陵高校をご卒業、その後1969年昭和44年には信州大学医学部を卒業されたということで、生粋の長野県の中でお生まれになって長野県でご教育を受けられているという状況でございまして、その後ですね、ご卒業後は県立木曽病院で県立木曽病院木曽福島町にございますが、こちらの方で研修医としてもご勤務をいただいた経験がございます。特に1970年昭和45年6月からは国立小児病院に麻酔科医として勤務され、それ以降1973年以降になりますが、トロント大学医学部麻酔科、トロント小児病院研修医、ペンシルバニア大学医学部麻酔科、フィラデルフィア小児病院研修医、等々海外の臨床を通じたご勤務も大変豊富にお持ちになっているという先生でいらっしゃいます。
 また、海外等の活動が一段落した1977年昭和52年10月以降につきましては、国立小児病院に勤務され、小児医療研究センター、病態生理研究室長、麻酔科医長、国立成育医療センター医療情報準備室長等々を歴任され、2002年3月から平成14年3月から国立成育医療センター手術・集中治療部長をなさっておられます。この間、独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員さん等数々のご公職もなされ、また、平成4年1992年には科学技術庁の方からですね、りっぱな表彰等もなされているとの、具体的なご活躍、ご経歴の様子につきまして枚挙数々ありましてですね、詳しくはまた、ご確認いただければと思いますが、こういった長野県岡谷市生まれの先生を5月1日から、こども病院の方へお迎えしたいと考えております。
 先ほど申し上げましたとおり、4月の先生のご予定ですと4月の末までは国の方にご在籍という形のようでございますので、そんな立場でございますけれども、本日皆様、ご質問等おありになればですね、そういった立場でお答えいただくことを予め、私の方から皆様方にお断りをさせていただきたいなと思っております。それでは宮坂先生ご紹介いたします。よろしくお願いします。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 皆さんこんにちは。ご紹介いただいた宮坂と申します。長野県では、宮坂勝之と終わりまで言わないと、多分大勢いるのかと思いますので、一応、フルネームで言っときます。
今日、本当にこのようにたくさんの方々がいらして、小児医療、こども病院にすごい関心があるということで、私たち非常にありがたいことです。
 私、今、ご紹介がありましたけども、麻酔科の医者ですけども、小児科の医者でもあります。スタートは産科医、今、世の中で少ないと言われている三つの職種を一人で背負っておりますけども、なかなかこういうふうにサーチライトを浴びるということはないんですけども、本当に皆さん来ていただいてありがとうございます。
 このたび、澤田院長の職を継いでですね、5月1日からこちらに来てみることになると思います。まだ正式に確認しておりませんので、この病院自体、先ほど副院長の里見先生と三輪総看護師長さんの2人に中を案内していただいて、改めて、すばらしい設備、すばらしいスタッフの中で仕事をさせていただく機会を与えていただきまして、非常にありがたく思っています。 
私は、先ほども紹介ありましたが、長野県に生まれまして、岡谷に生まれたんですけども、塩尻峠にトンネルができたら長野県はいいやとかということを作文に書いた覚えがありますし、諏訪湖は世界で2番目に大きな湖だと思って育ちました。
 それで、諏訪清陵高校から信州大学、しかも卒業して1年間は木曽の県立病院で婦人科ではなく産科医として研修していたので、それ以来、大学を卒業して以来30数年間、ずっと周産期医療、小児医療一筋に国の中の施設もそうですけど、外国の施設、例えば、当時のトロント小児病院というのは、770床世界最大のこども病院と言われていたんですけども、そこに留学し、その後、アメリカのフィアデルフィアの小児病院、よく全米の小児病院のランキング一位にランクされる病院ですが、そこでも研修をさせていただき、さらにはその関係で世界の各地のこども病院によらせていただき、国の病院にもいたことありまして、多くの地方自治体が14〜15あると思うんですが、実際にこども病院の中で働いたことはないですけども、いろいろないい点悪い点を勉強させていただきました。
 そのような背景がありまして、このたびこちらの病院に勤務させていただくことになりまして、私の今までの経験をいろんな意味でお役に立てるんじゃないか、しかも、生まれ故郷の長野県で役に立てるということで、凄くうれしく思っています。
 私自身は、海外に数年間いたんですけれども、それ以外は毎年、盆暮れは必ず長野県岡谷に帰ってきていましたし、この10年間ほどは小児の在宅人工呼吸の患者さんを連れて、毎年、夏にサマーキャンプで下諏訪温泉に連れてきております。バス三台くらい連ねて、東京から来ていたんですけど、そのこともありまして、皆さん方のいる新聞に取り上げていただいたこともありますし、そんなことでずうっと小児医療一筋にやってきています。
 私は夢がありまして、長野のこども病院を世界一のこども病院にしたいなと思ってます。先ほど中の先生方、看護師さんの前でもお話させて頂きましたが、皆さんも同じ思いだということで非常に心強く思いました。
 「医療の原点」ということなんですけど、医療の原点は、本来、具合が悪いからすぐ診てほしいという患者さんへ対して対応するというのが、医療の原点だと思っています。時には癒し、しばしば患者さんをサポートし、そして基本的には患者を常に慰めるということです。そこに私、医療の原点だと思っています。
 こども病院というのは、地域社会の必要度に合わせて、地域社会に開かれて、地域社会に育てられる病院であるべきだというふうに思っています。医者や看護師がこういうことしたいからではなく、地域に根ざした医療をすべきだと思っています。ですから、入院している患者さん、あるいは目の前の患者さんに全力を尽くすということは十分必要なことなんですけども、それだけで満足するような社会になっていませんで、病院にたどり着けない方々、それから社会で実際に病院からの恩恵を蒙らない方々、そういう方々にも目を向ける病院であるべきだと思います。それが開かれた病院である一つだというふうに思います。
 実は、病院にいまして目の前に重症の患者さん診て毎日いますと、本当に私たち一生懸命治療しているつもりなんですけれども、ちょっと外に目を転じますと、病院の中で亡くなるかたの何倍もの方が、病院の外で亡くなっています。例えば事故もそうですし、虐待もそうですし、乳児突然死症候群とか、たくさんそういうものがあります。もっとそういうものを全部含めて、長野県民のためになるような病院にこれからしていきたいな、というふに思っております。そういう意味で、県立こども病院は、皆さんが一般的にすぐ思う小児科の病院ではなくて、小児総合医療を行う病院という理解が非常に大事だと思います。非常に幸いなことに、中の先生方、看護婦さん、これを理解されてますけれど、なかなか日本ではですね、小児科医療と小児総合医療の区別がなかなかついておりません。こども病院は、小児総合医療のできる病院ですので、小児総合医療の恩恵に被れる患者さんに仕えると、そういう形にもっとこれから機能が広がっていくというふうに思っております。
 ですからその意味で、お子さんを持つ親が、とにかく不安だと思ったら、「24時間いつでも誰でも訪れることができる」、そういう病院にしたい。もちろんこれは、一つの病院、一つの医師、それだけでできることではありませんで、地域全体でこれを支えるということが、重要だと思われます。市中病院の小児科の先生方や開業の先生方、大学、皆さんの協力を得て、とにかく長野県の病めるこどもに優しい環境にする、その中心にこども病院が置かれればいい、そういう医療が展開できれば長野県の中での、例えばお子さんを持つご家族の育児不安、社会不安、そういうことも解消され、少子化の解消にも役に立つんじゃないかというふうに思っています。ですからこの辺は、多分、一般の方々が病院というのは、病気になったら行くところで、難しい病気を治していただく、というところから、こども病院は小児総合医療を行うところで、もっと社会の中で医療を行う、地域にサポートされる病院だ、そういうことをもっと強調したい。もちろん、一人ひとりの先生、看護婦さん、皆さんこういう考えを持っていらっしゃいます。こども病院は素晴らしい人材がそろっていますので、それをより全体として一つのチームでやっていくということが、非常に大事だと思っています。
 今の時代、医療はですね高度成長期のように一人の優秀な医者が、自分の技能を発揮して難しい病気を治すのではなくて、例えば病院全体として感染に対してどうするのか、医療の安全をどうするのか、心の問題をどうするのか、ひとつの診療科だけでなく、病院全体を一つのチームとして医療をしなければいけない時代になっています。医者だけでなく、看護婦さんすべてがチームでやらなくちゃいけない時代です。そういうことで、社会に尽くすと言う考えがなければ、何もないわけで、そういうことを考えて私たちはこれからの医療をやっていきたいなというふうに思っています。
 基本的に皆さん方にお話ししたいことは、以上なんですけど、一応、今のことをまとめますと、地域に開かれ地域に育てられる病院、24時間いつでもだれでも受け入れられる病院、そういう病院であること、それからさらに、病気のこどもさんが通っていますけれど、明るくていつも思いやりに満ちた病院にしていきたいというふうに考えています。ですから、総合医療を目指し、全人的な治療をするそんなこども病院にしてきたいなというふうに思っています。
 どうぞよろしくお願いします。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 どうもありがとうございました。
 これからあとの日程等がございまして、約15分程度でございますが、皆様からご質問等を承りたいと思います。冒頭、ご説明したとおり、今日初めて先生にはこちらの方にお越しをいただき、先生のほうは前からこちらの病院にとりあえず講演会の際にお入りいただいたなどのご経験が、経過があるようでございますけれども、しっかり中の様子を見ていただいたり、職員の皆さんとお話しをしていただいたのは、今日が初めてでございますので、そういったことも踏まえてご質問等もいただければと思います。
 なお、はじめに社名とお名前をご質問に当たってはお願いをしたいと思います。よろしくどうぞ。それではどうぞ。

信濃毎日新聞 中野弘之 氏
 ご就任、まあ正式なご就任前なので、お答えいただけないで結構なんですが、今、先生の口からご説明にあった24時間誰でも受け入れていくという、これは田中康夫知事も2月の県議会で方針を示されているんですが、先週の日曜日この病院で16日に開かれた意見交換会でも患者の保護者さんからですね、そう言うそのまあ初期あるいは2次の救急医療患者さんを受け入れていくことになる場合に、現行のスタッフではですね、その今の高度医療の水準というのを維持できないのではないかという不安と、それと院内感染この危険が高まるんじゃないかというこの2つ不安の指摘があったのですが、この辺についてお考えをもうちょっとお聞かせください。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 はい。まず2つのポイントがあったと思いますけども、24時間何時でも誰でも受け入れてく、これを希望しない親はいないと思うんですね、ですからそういう患者さんがいるということ、そういう方々がいるということを私たちは認めて、いかにそれを受け入れるようにするのかというふうに考えるべきだと思うんです。そういう方がいるからこども病院を引き受けないのではなくて、そういう方がいることを認めた病院にすべきです。
 先ほど言いましたように、それは一こども病院だけですべてやれるとは思いません。欧米にはすべてやってる病院もあります。でもこの規模の病院ですべてあのそれをですね一つの病院に長野県中の発熱の患者さんを一か所に集めてなんてことはとてもできると思いませんし、これはやっぱりネットワークを作ってやること。地元に関しては、まあおそらく来れる距離の方々は診るにしても、そうでない方々はネットワークを使ってやる既存の例えば1個人の診療所もたくさんありますので、そういうところを使ってやることになるんだと思います。
 ただしポイントはですね、こどもの病気に一次、二次、三次なんてことはない訳ですから、来た結果「お前は簡単な病気だったじゃないか、どうして来たのか。」とそういうことが積み重なると患者さんは来なくなるわけで、基本的に病院ってやっぱり開けているところだと、例えば長野県に一か所でも、いつでも誰でも子どもだったら、こと子どもに関しては断らないという場所があるということは、これは県民にとってものすごく大きなプラスですよ。長野県は既にですね、全国の中でまあ40何県ある中でたった14しかないこども専門の病院を持っている県なんですね。そういうことだけでも素晴らしい。それに加えて、本当にこどもが困ったら、とにかく連れてきて文句を言わない場所がある、そういうのを作ることが第一である。というふうに思います。
それから二番目の、それでその前提でですね、今のままできるのかと、私は今のままできるとは思いません。これは人員だけのことではないです。医者の意識もありますし、医者の技能もあります。例えば皆さんのこどもさんが頭に怪我をした時に小児科の先生に行ったとします。小児科の先生は「私はこの患者さんは診ますけど、頭の怪我は外科に行ってください。」これでは良くないと思うんですね。初期対応はやっぱり小児病院またはこどもの施設ですね、そこで一括して終わるというのが本来なんですね。私ができないからではなくて、いかにそこでできるようにするかこれがこどもの総合医療っていう考えなんですね。そういう考えにやっぱり変わっていくべきだという風に思います。
 2番目の感染のことなんですけど、これははっきり言って全く科学的には説明できない。何故かといいますと、世界的に救急医療をやっている一流の病院なんていっぱいあります。感染のお子さんを受け入れなかったら、感染のお子さんが来たら中の子が感染になるというのは、それは医療者として僕は正しくないと思います。そういう患者さんと中にいる患者さんとをいかに分けて治療するのかと、そういうふうに考えてでも必要のある人に場所を作るというのが私たちの考えであって、そういう患者さんがいるから、だから私は診ないということではない。で、どの患者さんも私たちも皆さんもそうですけど、皆さん何の感染を持っているかわかりません。病院に来たら基本的にはどんな人でも感染を与えるんだという前提で必ず診ているんですね。それがまあ医学というものなんです。そういう前提でやります。それが無かったら、高度医療は成り立ちませんので、高度医療をやるというからにはどんな方が来ても、もちろんそれはね例えばSRSAの様な患者さんを心臓の手術をした患者さんのすぐ隣に据えるとかね、そういったことは皆さんだってしないと思いますよ。私たちもしませんので。あの一次医療または救急医療をやるから高度な医療の方の院内感染が増えるというのは、風邪と桶屋の関係以上に全く関係のないことで、もしそうだとしたら、それは防ぐような措置をしてでも必要なこどもに尽くすというのが医療関係者の立場だというふうに思います。

信濃毎日新聞 中野弘之 氏
 あの、そうすると今、今日一度御覧になられた範囲で結構ですが、今、先生が見た限りではそれなりの医療の増員とかですね、病院の多少の改築なりの必要性というのは感じられましたか。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 そういう視点で全く見てませんので、あのそれにはお答えできませんけれども、そういうことよりは考え方の方がはるかに大きいと思います。あのもちろん必要になるというふうには、多分なると思いますけれども、今はそういうことよりは、まず病院を開かれたものにして、受け入れてく。幸いなことに先ほど病院の皆さんとお話しまして、基本的には皆さん同じ考えで、ただし、各論をどういうふうにしていくのかというのはこれはですね、例えば、同じ「開かれた」という言葉も多分私と先生方、現場の方々とお話することと、それからまあ県の方々が言うことと言葉が違うかもしれませんし、私は言葉は同じだと思いますけど、マスメディアの方々も取る方によって違いますので、あくまで現場で何が患者さんのためになるのか、何が地域の患者さん、長野県民のこどものためになるのかと言うことは話し合ってそれを具体的に県の方にお伝えし、具体化するとそういうプロセスを経ていきたいな、という風に思います。
 多分ご質問があると思いますので、もう一つお話しておきますと、一般診療という言葉がよくでてきます。小児救急は一般診療そのものです。ただし、この言葉をですね、同じ言葉を使いながら、理解する人はまあ勝手にという言い方はおかしいですかね、違う視点で理解します。つまりこのこども病院に普通の総合病院の子どもさんみたいな人が一杯になってしまうという、そういうふうに考える。それを一般診療と考えるそういう人もいるかもしれません。確かにそれは理想ですし、将来それができる良い形にすべきだとそう思いますけど、今はこの病院、この規模、このお金の中ではですね、多分そういうことをするよりは先ほど言いましたように救急医療に特化した一般診療、ですからたとえ風邪ひき発熱だけでも来たらおかしいなんていう、そう言うことを言われないような心のバリアをとるということから始める、病院に来る前に診断をつけたりとかですね、あのしてからでないと来られないとかですね、これが皆さんの立場に立っても正しいことではないと思います。
 この病院は特に私が、見て思うのは、看護師さんやスタッフが非常に素晴らしいのですので、何でもかんでも医者がやるってことじゃなくて、ほんとにチームでですね、患者さんを分担して、患者さんのお世話をするという形にしたら、たくさんの患者さんを診られるようになるんじゃないかなと思います。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 他にございますか。はい、どうぞ。

読売新聞 柳沢譲 氏
 まずは1点で、今の先生のお言葉の中で、小児救急、救急医療に特化したものといった表現がございましたけど、これは、ちょっと誤解のないように・・・

新院長候補者 宮坂勝之さん
 そうですね、「特化した」といった言い方は、「まずは」という言葉を初めに言ったかと思うんですけども、「小児救急」という言葉はですね、これも、なかなか同じ言葉の中で、わかりにくいと思うんですね、私思うのに、三つに分けられると思います。あの、例えばですね、重症の病気をもった、あらかじめ病気を持ったお子さんが、それが風邪を引いたりしたりするという、そういう小児救急。これは長野県こども病院、例えば、心臓外科の手術したお子さんがですね、急に具合が悪くなったと、これも救急ですよね。これはもう、もちろん24時間今でも診てますし、ここでしかしてないと皆さん使命に感じてやっていると思います。それから、もう一つは、本当にいわゆる救命救急センターなりに、多発外傷で頭に外傷があったり、骨折したり、ものすごく複雑な大きな外傷、そういう救命救急センターそれにもいろいろ幅がありますけども、その中でもですね、こどもに関しては、例えば交通外傷以外のことで、ほんとに生きるか死ぬかという状態の救命救急の方、これを皆さんよく3次というふうに表現をしますけれども、そういう患者さんもおそらくここでは受け入れていると思うの。
 それから、もう一つがですね、いわゆる一般の救急医療と言われてるので、これは内科的な疾患が主になりますけど、この一見、内科的な疾患、例えば、風邪症状でお腹がちょっと痛いというようなこういう患者さんも、その100人の中に1人か2人ですね、先程の高度救命医療をやるような患者さんが混ざってるわけです。そういう患者さんを「そうなったら来てくださいよ」とするんじゃなくて、そういう患者さんも初めから診るような形にすべきだなということですね。だから、救急だけ診ますとか、これだけ診ますというふうに門戸を閉じるんじゃなくて、基本的にはオープンなんです。で、それを地域で支える形をこれからですね、まだ、私、着任はしてませんけれども、これから、地域の医師会の方々とかですね、皆さんとお話をして、結果的に長野県のこどものために何がいいかとその中心に長野こども病院があるべきで、全ての患者さんを長野こども病院で全部診るというそういうことを今、私は考えているわけではありません。これは、今の段階でそう思っているということです。

読売新聞 柳沢譲 氏
 すいません。確認ですけども、その例えば風邪症状がでて高熱があるというこども、救急車で運ぶ程ではないなと、そういうお子さんをね、連れてきた場合ってのも診ていただけるという・・・

新院長候補者 宮坂勝之さん
 今、私は基本的にそういうお子さんだから、いちゃいけないということにすべきじゃないというふうに思います。これはですね、私は国立成育医療センターていうとこにいまして、国立成育医療センターで、救急をやるときも、まったく同じ議論がありました。もうできあがった複雑な難しい病気だけ診てればいいんだ。しかもナショナルセンターですから、当然そういう議論があったんですね。ていうのは救急のほとんどが世田谷区から来るわけで、国のセンターなのに九州からの発熱の患者も来れないじゃないかということで、実は厚生省も賛成してません。2千、よく覚えているんですけども、2005年の5月20日に読売新聞が初めてですね、成育医療センターは小児救急をやるというふうに書いてそれで非常に大きく変わったんですが、今は、成育医療センターが小児救急をやらないなんてことは、誰も信じないと思うんですね。で、実は小児救急というふうに、とにかく24時間、親が救急だと思ったら連れてくる。そういう前提で患者を引き受けました。じゃあ、その引き受けたとき何が問題になのかというと、病院中の1千万人の患者が入って成育医療センターがいっぱいになるんじゃないかというふうに思うと思うんですけども、これはそうじゃないんですね。やはり病院に来たときに、私たちは患者さんの緊急度に応じて診ますというフィロソフィーを非常に明確にしました。緊急度の判断は例えば看護師さんがやります。これはもちろん看護師さんはここの病院ではお話しもしてもいませんので、看護師さんがやると言って、やらないからといった議論に是非ならないようしていただきたいんですけども、そういうふうにしますと、場合によったら患者さんは、もちろんすぐにやっていかないといけない患者さんはわかりますけども、中には2時間待たなきゃいけない患者さんももちろんいるわけです。
 そういうことを社会の方々が、知ってですね、先着優先ではないですよ、重症度に基づいて診てますよということを社会が理解すれば、おのずと患者さんは自然に淘汰されるし、自然に分配されてきますので、今、東京の街のまん真ん中にありながら、年間に5万人くらいの救急の患者さんを診ています。国立小児病院自体は、ここと全く基本的に同じポリシーで、それでも、年間2千人ぐらい、それでも、救急やっていると思っていますけども、全く私たちは社会のニーズを十分に吸収していなかったなと非常に強く感じてましたので、長野県にはぜひそういう形で、医療をやりたいなと思います。

読売新聞 柳沢譲 氏
 そうすると基本的には、その来るお子さんは受け入れると。ただし、その重症度に応じて、違いますよと・・・

新院長候補者 宮坂勝之さん
 ということを私は考えております。ま、これは具体的にどうするかは着任してから皆さんとまたお話して、それすらも例えばですね、すでに長野県内にすでにできてるということだったらやる必要はないかも知れませんし、これはあくまでほんとに地域地域によって違うことですので、それは、地域の皆さんと医師会の皆さんとお話してですね、一番いい形をたてたいなと政治的な答えですけども、それしか答えられないと思うんで。

読売新聞 柳沢譲 氏
 すいません、あと1件だけごめんなさい。まさに医師会がですね、県医師会長などが、田中知事が示した今回の方針に関して、反対表明したりしておりますが、それについて今後どのような。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 えっと、私実際それをよく知りませんけども、24時間いつでも誰でも引き受けるということについて、救急をやることについて、医師会は反対するとは医者ですから僕は思いません。おそらく、その正しく理解されていないんじゃないかというふうに思います。わかりません。あの、非常に皆さんに申し訳ありませんが、新聞の見出しだけで、判断して、間違えることも私自身もありますし、やっぱりお互い顔を合わせて話しをしたら、日本全国どこでも皆さんに期待されていることですので、長野県だけでいくということは多分ないんだと思います。何かの誤解かも知れない。

信濃毎日新聞 井上裕子 氏
 一点お聞きしたいのですが、田中知事がですね、産科についても受け入れるという方向を示していますけどそれについてのお考えを。それから、医療体制、一番心配なのは、先生がおっしゃるような救急を入れた場合に、そこから入院患者が増えてくる。ベッドが満床になったとき、ほぼ今も万章の状態が続いているんですけれど、他にここに通っている方とか、三次救急が必要な場合とか、万が一のとき、受け入れられなくなってしまうのではないか。いわゆる三次医療が崩壊するのではないかということを、利用されている方も医師会も心配していると思っているのですが。例えば、第4病棟のオープンとか、ハードの面になると答えにくいかと思うのですが、そういうことをお聞きしたいと思います。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 ハードの部分が全く答えにくいというのか、私、よくわかりません。それで、いろいろ考え方があると思うのですが、基本的に必要な患者さんがいて、それをこうだからやらないのではなくて、どうしたらできるかという議論にぜひしたいな、というふうに思うんですね。今すでに、この病院は一杯かもしれません。わかりません。一杯だとしたら、新しく病棟を増やさなければいけないんだけれど、見た目で一杯でも、一杯でないのかもしれない。それから、日本自体、こども病院だけの問題ではなく、日本全体、国自体が経営危機に陥ってますよね。医療費自体も、もちろん非常に大きな問題となっています。ですから、病院自体、効率を上げると。医療の質を落とさないで、効率を上げるというのは、与えられたもので私たちやるのではなくて、私たち、看護婦さんや医者が考えて、いかによりたくさんの患者さんに仕えることができるか。視点を変えてやるべき時代になったのではないかと思っています。
 ですから、今までおっしゃるとおり、今のままで、突然とこの病院に患者さんがわぁっと来たら、一杯になる。先ほどの感染症の話しもそうですけれど、世の中みんなあるわけですから、それと私たちが受け入れられるように、私たちが変わらなければいけない。それについてどうしたらよいか。むしろ県の方にお願いをしていきたいと思います。産科の医療もまったく同じなのですが、産科の医療というのはですね、私も産科医をやったことがあるのでわかるのですが、小児医療とは違う点があります。小児医療では、親がおかしいと思えば、すぐに連れてきます。産科の場合には、ほとんど産科の先生がいるわけですね。いわゆる救急、交通事故のにあわれた方は少なくて、いわゆる産科の救急というのは、常に産科医を介してから来てますので、これは今すぐに、基本的な路線はまったく一緒ですけども、その産科のために何をするかは、すぐには、私は考えていません。まず、次のステップでやることだと思っています。産科は今のままやりますよと言っているわけではなくて、産科も同じですけれど、子どもの医療だけでもやることはたくさんありますので、それを片付けて、そのステップの中で産科のことも展開されていくものだと思っています。

信濃毎日新聞 井上裕子 氏
 産科については、救急の部分ですか、それとも一般の産科の部分ですか。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 両方含めてです。産科も、おそらく一般の産科をやるというふうにはかたちにはなっていないと思います。今日は、産科病棟をあまり見ていないので、わかりませんけれども、病棟自体が一般の産科を受けるという形になっているかどうか、よくわかりません。

信濃毎日新聞 井上裕子 氏
 それは、今後、小児の次の検討ということですか。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 はい、それはそうです。産科の救急には、いろいろな救急があります。お母さんの救急なのか、赤ちゃんが救急なのかということで、お母さんが本当に大変だったら、この病院は、内科もないですから、対応できませんから、赤ちゃんだけの救急ということですね。その赤ちゃんだけの救急の対応は、今、例えば、双子だったら来ます、三つ子だったらすぐに来ます、何ヶ月だったらどうというもっと具体的な細かな事例がありますので、それが今まで徹底していたレベルよりは、上がったり下がったりということは、いつもあることですので、そういう意味で大きな構築を変えるのではなくて、よりたくさんの患者さんを診れるという形だけで、具体的には小児の次に構える、今すぐに内容を変えようというふうには考えておりません。
 それから、もうひとつ、こういう機会ですから今の段階で、うちは少なくとも今の段階でこの病院に係っている高度医療をやっていらっしゃると思っています。また、この病院を本当に頼りにしていらっしゃる方々、その方々への医療は変わらない。変えるつもりは、私は知事じゃないですけれども、私はそういうふうに思っていますので、そういう形でむしろ、院長は先ほどより、もっとうちの病院に来なかったら、総合病院の恩恵を被らなかったら、恩恵を被っていないじゃないかという方々に門戸を広げると、そういう形もむしろ考えていただきたいというふうに思います。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 時間がないので、質問だけとりあえずいただいて、お答えをもって終わらせていただきたいと思います。どうぞ。

朝日新聞 久保智 氏
 お答えにくいところもあるかと思いますが、応えられる範囲でお願いします。こちらの病院に就任されるまでの、まだ就任ではないですけれど、いつごろお話があったかとか、いつごろお決めになられたかという、そういう具体的な経緯を少しお話いただきたい。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 ほかにご質問はございますか。よろしいですか。それではこの質問で、はい。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 何か、質問の意味がよくわかりませんけれども、答えなければいけないかもよくわかりませんけれど、こちらに私自身がこども病院を開かなければいけない、小児救急をもっと積極的にやろうということを、医者になってずっと言っておりますので、皆さん、小児医療に関係する方々は皆さんご存知であると思います。
 事務手続き上は、3月でしたっけ。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 それは私のほうでお答えいたしますが、3月29日に厚生労働省のほうへ、具体的に宮坂先生を長野県の職員としてお迎えしたいという申請をさせていただいております。それ以降の経過については、4月4日に厚生労働省の方から、それに対するお答え、承認という形でお答えをいただき、4月7日に知事の会見で一定の内容等も発表させていただいた上で、今回の流れになっております。

読売新聞 柳沢譲 氏
 今、おっしゃったことは、5月1日からの就任では、実質的に、現実的に無理ということですね。先ほどおっしゃった考え方、いわゆる啓蒙の部分で、まだ足りないところがあるとおっしゃいましたけれども。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 現実的ということは、どういうことですか。教育を始めたりとかそういうことは、5月1日からやりたいと思っています。

読売新聞 柳沢譲 氏
 受入れの関係ですが。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 できる部分もあるのではないでしょうか。

読売新聞 柳沢譲 氏
 それは、やっていくということですか。

新院長候補者 宮坂勝之さん
 できる部分は、あると思います。今のままで、別に何も変えなくて、考え方を変えるだけでできる部分は、あるかもしれませんし、その程度だと思いますけれども、一般的な考えで、5月1日から大々的に何とかできるという、そういう意味では、すぐにできるということではないと思います。

小林資典参事兼人財活用チームリーダー
 それでは、以上をもちまして、これで閉じさせていただきます。
 経歴等、詳しいことは事務局で答えさせていただきます。
 

 

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県立病院チーム Tel 026-235-7143      / Fax 026-223-7106
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