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抗議など4万件殺到!…亀田戦でTBSに


一夜明け記者会見に臨む亀田興毅選手(午後1時過ぎ、東京・港区赤坂のTBSで)

 世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦で、亀田興毅選手(19)(協栄)が王座を獲得した2日の試合の判定などを巡り、試合を中継したTBSには抗議や問い合わせが殺到、3日午前9時までに4万件を超える電話やメールが寄せられた。「公正さに欠ける」「亀田選手の負けではないか」などの指摘が多かった。

 TBSへの電話がつながりにくくなったこともあり、視聴者からは他局や、読売新聞社など新聞各社にも、判定への意見や疑問が数多く寄せられた。テレビ朝日には約150件、日本テレビにも約100件の電話やメールが届いた。
 日本プロボクシング協会にも、3日朝から数秒おきに抗議の電話が寄せられ、「判定に納得がいかない」「(チャンピオン)ベルトを返上すべきだ」などの意見が相次いでいるという。

 テレビ局への反響では、昨年1月にNHKが海老沢勝二前会長の顧問就任を報じた際、約6500件の電話やメールが殺到した例があるが、4万件は異例。

視聴率42%超

 試合中継の平均視聴率(関東地区)が42・4%だったことが3日、ビデオリサーチの調べで分かった。亀田興毅選手が判定勝ちを決める直前と直後の2回、瞬間最高視聴率(同)の52・9%を記録。また、亀田選手の地元、関西地区の平均視聴率は42・9%だった。ボクシング中継では、現在の調査方式に変わった1977年以降、78年のWBA世界ジュニアフライ級タイトルマッチ「具志堅用高対ハイメ・リオス」の43・2%に次ぐ歴代2位の高視聴率。

判定基準は賛否両論

 ボクシングの判定基準を巡る議論は、絶えない。特に、世界戦で現在採用されている「ラウンド・マスト」と呼ばれるシステムには、賛否両論がある。

 各ラウンドごとに、優劣をはっきりつける採点法だ。微妙なラウンドも、明確に攻勢だったラウンドも、ダウンさえなければ「10―9」で、どちらかに振り分けられる。結果がドローに終わる試合を減らそうと採用されたものだが、ほぼ互角の攻防だったラウンドがすべて特定選手に流れた場合、試合全体の印象とは逆の判定が出るケースも少なくない。日本タイトルマッチなど国内管轄の試合では、ラウンド・マストは採用されていない。

 亀田戦のジャッジペーパーを見ると「10―10」は、韓国人ジャッジが3回につけた1度だけ。2、5、8回という微妙なラウンドで亀田選手を支持した2人のジャッジが、最終的に亀田選手の勝利と結論を出した。

 ただし、現行基準をどう当てはめてみても、“亀田判定”の不可解さは消えない。例えば、ランダエタ選手が有効打の雨を降らせた11回など、亀田選手のダウン相当として「10―8」とつけるジャッジがいてもいい。ジャッジ3者の顔ぶれは、興行主が選んでいる。

 WBAは試合直後の記者会見中に、亀田選手の父の史郎トレーナーに「会長から」と、特別ベルトをプレゼントしている。ランダエタ選手が勝っていたら、行き場のなくなるベルトまでが、事前に用意されていた。

 世界戦判定のあり方自体を再考する機運が高まるきっかけに、この一戦はなり得るだろうか。(込山駿)

対戦相手母国も報道

 【リオデジャネイロ支局】世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦で亀田興毅選手(19)に判定負けしたフアン・ランダエタ選手(27)の母国ベネズエラの有力紙「エル・ウニベルサル」は2日の電子版で、亀田選手がダウンした写真を掲げ、「ランダエタ、判断の分かれる試合で敗北」と報じた。

 同紙は、ランダエタ選手は最初から試合を支配し、亀田選手を強力な右パンチでマットに倒したとした上で、「日本人観客でさえ当惑する判定」によって亀田選手が世界王座を奪取したと報じた。


 http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06080310.cfm もご覧下さい。

2006年8月3日  読売新聞)

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