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ファイザー、医師向けSNSと提携へ

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米製薬最大手ファイザー(NYSE:PFE)は、免許を受けた医師のためのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「サーモ」との提携を15日に発表する。製薬会社と医師の情報交換の手段として新たな注目を集める可能性がある。

 ファイザーは、一部主力製品の特許が失効するなかで業績への圧力に直面しており、同社製品を処方する医師に接するためのより効率的な手段を模索している。この提携により、ファイザーと関連のある医師らは、このSNSサイトの3万1000人の会員と率直に意見交換ができることになる。これが、処方パターンについての知識や、医薬品データを医師に示す方法などをファイザーに与える可能性がある。

 しかしこれはファイザーにとってリスクを伴う領域でもある。医薬品販売に弾みをつけるための金銭的インセンティブの提供や、医薬品のオフラベル(=医薬品の承認適応症以外)の販売促進の兆候がないかなど、製薬業界と医師の交流に対しては、規制当局や議員から厳しい目が向けられている。ファイザーは、この提携について米食品医薬品局(FDA)とも協議する計画。医師の多くも、自身の職業に対する医薬品業界の過度の影響力を警戒している。

 サーモはマサチューセッツ州ケンブリッジに2006年9月に設立され、医師が同僚から診断についての助言を求めることができる意見交換の場を提供している。このサイトは、ヘッジファンドなどの顧客に医師の匿名の会話を観察させ、例えば、特定の治療薬の人気についての知識を得られるようにすることなどで、収益を上げている。会員から高い評価を受けた書き込みを行った医師に対してサーモは報酬を与えている。顧客からのアンケート調査に参加した医師に支払いをするというオプションもまもなく開始する予定。

 ファイザーは製薬業界で最も積極的な営業部隊を配置してきたが、2006年に米国の営業部員を20%、今年1月には欧州の営業チームの20%以上を、それぞれレイオフした。

 サーモのダニエル・パレストラント最高経営責任者(CEO)は当初、製薬会社とのかかわりは望んでいなかったが、製薬業界が営業部隊を医局や診療所に送り込むのではなく、より便利な媒体での業界とのやり取りの場を医師らが求め始めたため、考えを改めたという。

 ファイザー、サーモとも契約の金銭的条件は明らかにしなかった。

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