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昨日と今日 |
今日はうれしいことがありました。
昨日は、思いがけないことがありました。
今日の出来事は 私の心をあたたかくしてくれました。
そのお礼を伝えるすべがなくて、ここに書いています。
お便りをありがとうございました。
歴史を刻んだサイドボードの大理石部分が修復されることを想像しますと、何と豊かな気持ちになれることでしょう。
昨日は 思いがけずに結婚するまでの4年と少しの間、私が勤めていた地方の私立大学の事務職員の方が 退職されて本を書き、贈ってきてくださった。
「私の○大43年史」というタイトルで500ページに及ぶ本。
一挙にタイムスリップして青春を過ごした大学職員の時代がよみがえってきた。
その方は、5才先輩の男性で私が入ったころは、総務課におられた。
ちょっと、話かけられないような雰囲気をおもちだった。が、一度山に何人かの女子職員で連れて行ってもらったことがあった。また一度は、なぜか、やはり何人かで新婚のお宅に遊びにうかがったこともあった。
私は、大学付属の経営会計研究所に所属して、やめるときは、入試管理室にいた。
おりしも、大学はまだ学園紛争の火も残っていたころだったし、教職員組合も血気盛んなころで、青年部も活躍していた。
この本に書かれている大学の実情は、ほとんど知らないで過ごしていたが、上層部ではこんなことがあったのかという内部紛争が書いてあって
学長選挙から、事務局長人事がからんだり、延々とした派閥争いがくりひろげられていたことなどが、職員の目線から書かれている。
20代の半ばの私には、そんな難しいことはしるよしもない。
ただ、あの先生は、近経だとか、マルクス経だとかに区別して覚えていた。研究所に来る先生も両方いたので、タイプで私にも理解できた。
職員も共産系と、革マル派を密かに擁護する職員に分かれていたことも
わかっていた。
教職員組合も、微妙に内部対立があったようだ。
まだ、学生たちも学内紛争の火がくすぶっていてよく対立していた。勤務に就くために、学生たちにバリケードされた門を ヘルメットに鉄パイプを持った覆面姿の学生に「職員だから」と言って、封鎖された門の隙間から緊張して入り込んだことを思い出した。
また、このことも鮮明に覚えている。「今夜、他大学の学生も交えた乱闘事件が起こりそうだから、あなた達は、直ぐ家に帰りなさい。」と、耳うちしてくれた顔見知りの教授がいて、帰った後に事件があり、怪我人が出て大学構内に警察も入った。本をおくってくれた先輩職員も割って入って、怪我をしたと記してある。
今思うと、貴重な体験をした。20そこそこの歳で真剣に考える機会がいっぱいあった。
35年ほど経ってしまったが、組合も消滅して個性豊かな上司たちも
ほとんどが学内を去ってしまったようである。私が勤めていたころに講師、助手級の先生方が、今他大学などに散らばって、教授になられているようだ。一握りの先生や、職員が、今もこの大学におられるが、私の直属の上司は7年ほど前に、定年退職直後に癌でなくなってしまった。
本には、よく見ると、集合写真などに自分が写っていた。
2枚は、青年部でレクレーションに参加したときのもの。もう1枚は、本館の階段に勢ぞろいした事務職員の写真。このころが一番、精気があったと記されている。
思いがけずに、昔のことを思い出して、大学というキャンパスの中で
私も、毎日の刺激に身をおいた青春時代をなつかしんだ。
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