ひと

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録 Yahoo!ブックマークに登録
この記事を印刷
印刷

ひと:内藤大助さん 初防衛に成功したボクシング世界王者

 「亀田3兄弟」の次男大毅選手(18)を降し、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王座の初防衛に成功。亀田一家からは「ゴキブリ」呼ばわりされてきただけに、留飲を下げる勝利だった。

 33歳1カ月での世界王座防衛は日本選手最年長記録を更新。世界王者になった時に「みなさんに支えられて王者になったから、みなさんに喜んでもらえる試合をする」と誓った苦労人が、新たな勲章を手にした。

 貧しい母子家庭に育ち、中学時代はいじめられて胃かいようになるほど悩んだ。高校卒業後に上京し、21歳でボクシングを始めたのも「いじめられたくない。強くなりたい」と思ったからだ。02年4月にタイで世界王座に初挑戦し、日本選手の世界戦史上最短となる一回34秒KO負け。インターネットに「日本の恥」と書かれ、しばらく睡眠薬を手放せなかった。

 今年6月まではレンタカー店で働き、喫茶店勤めの妻と合わせて月収12万円。現在はボクシングに専念して妻の月収8万円に頼る。今回、ファイトマネーが初めて1000万円の大台に乗ったが、世界王者になっても生活はさほど変わらない。記者の質問に一つ一つ答える腰の低い純朴な人柄も以前のままだ。

 前日の会見で大毅選手が「負けたら切腹」と発言したが、「ここでネチネチ言ったらかわいそう」と余裕の笑顔。「いじめられっ子がいじめっ子に勝った。いじめられっ子に伝えたい」とも強調した。(来住哲司)

 【略歴】内藤大助(ないとう・だいすけ)さん 北海道豊浦町出身。日本フライ級、東洋太平洋同級の王者を経て、今年7月にWBC同級王座獲得。家族は妻真弓さん(34)と長男亮君(2)。33歳。

毎日新聞 2007年10月12日 0時08分

ひと アーカイブ一覧

ニュースセレクトトップ

エンターテインメントトップ

ライフスタイルトップ

 

おすすめ情報