民主、きょう決議案提出/「集団自決」記述再検討盛り込む
【東京】民主、共産、社民の三党は四日夕、国会内で野党国対委員長会談を開き、民主党が沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の教科書検定に関する決議案を提示した。共産、社民の両党は、県民大会で決議された「教科書検定意見の撤回」「記述の回復」が決議項目に盛り込まれていないことに難色を示し、持ち帰って対応を協議した。
三党による共同提案の実現は不透明で、民主党は単独提出も視野に入れている。この場合、共産、社民は本会議で民主案に賛成する意向だ。
民主党は、五日午前の参院議院運営委員会に決議案を提示する。自民、公明の与党を含めて賛同を求め、本会議終了後、参院に提出。全会一致での成立を目指す。
衆院では与野党の議運筆頭理事間協議を開き、民主党の川端達夫筆頭理事が自民党の小此木八郎筆頭理事に決議案の内容を提示し、理解を求める予定だ。
民主案は「『集団自決』の事実を正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性を子どもたちに教えていくことは、われわれに課せられた重要な責務である」と指摘。教科書の記述を審議する教科用図書検定調査審議会での再検討と、教科書検定規則の見直しを盛り込んだ。
一方、野党共闘を「凍結」している国民新党は、国対委員長会談に参加しなかった。
知事、撤回「目指す」
仲井真弘多知事は四日、沖縄戦での「集団自決(強制集団死)」から日本軍強制の記述が削除された高校歴史教科書の検定問題で、「昨日まで議長を先頭に実行委員会と県民大会の決議を(政府に)持って行ってきたところ。(大会決議で確認した検定意見撤回と記述回復の)両方を目指していきたい」と述べ、記述回復だけでなく、政府が難色を示している検定意見の撤回を求める考えを示した。
県議会九月定例会の一般質問で、赤嶺昇氏(維新の会)の再質問に答えた。
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