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2007年10月10日(水)
【J1 注目選手スペシャルインタビュー】Vol.15:中村憲剛選手(川崎F)「ここで終わりじゃない。もっと成長してもう一度アジアへ」 [ J's GOAL ]


川崎フロンターレ、中村憲剛。背番号14。フロンターレの中盤に君臨する「川崎の心臓」。今季からはゲームキャプテンも務めるなど、ますますその存在感を大きくしている26歳。
2007シーズンはJ1リーグ戦に加えアジアチャンピオンズリーグ(ACL)、日本代表でのアジアカップ、欧州遠征など、プロサッカー人生の中でも最も濃密なシーズンを送っている。そんな彼に、今シーズンのこれまでの戦いについて伺った。(取材日:9月28日)

■ACLでの戦い
Q:今年の中村選手と川崎フロンターレにとって最大のイベントはACL(アジアチャンピオンズリーグ)だったと思うのですが、振り返って頂けますか?


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「あまりに大きくていろんな事がありましたね。なかなか一言で言い表すのは難しいです」

Q:たとえば初戦のインドネシア。マランのスタジアムを見て…。

「まさかあんなにお客さんがいるとは思わなかった。2時間くらい前に行った時からスタジアムは一杯で、さらに人が押しかけていて、どこから見るのかなと思っていたら木の上からだった(笑)。あれは結構びっくりしました」

Q:スラバヤの木が生えたスタンドとか、逆送するバスとか・・・

「のっけからびっくりするような事ばかりだったので、その後のことが普通に感じました。韓国にせよ、イランにせよ」

Q:クラブとして戦う事の意味と日本代表として戦うことの意味は違うと思いますが、それはどう違うのでしょうか?

「全然違っていますね。代表っていうのは海外に行って戦う大会があって、そこに選手を集まってやる。ACLは自分たちで勝ち取ってというか、まあリーグ戦2位ではあったんですが、堂々と胸を張って海外の大会にみんなで行くという。そこの感覚は全然違いますね」

Q:その大会がアジアの枠にとどまらないというところも刺激になっていたのでは?

「そうですね、トヨタカップ(世界クラブ選手権)がその先に待っていましたからね。ACLって今までにもあったんですが、ここまで関心が高くなったのは初めてだったと思うし、いろいろJリーグが支援してくれたところもよかったと思います」

Q:予選の6試合の中で得たものというのは?

「真のホームアンドアウェイというのを体感しました。環境もそうだし、相手がこっちに来た時の戦い方もそう。韓国の全南はうちに勝たなければならなかったのでそうでもなかったんですが、タイ(バンコク大)とか、インドネシア(アレマ・マラン)は本当に引いていて、一つのミスをカウンターで狙ってきた。セパハンもそうでしたが、Jリーグだとそこまでいかない。
 彼らはアウェイでは負けは許されないというような、どんなに厳しくても最低でも引き分けで帰る、という意識がすごく浸透していた。あわよくば勝って帰る、というような。だからどのチームも勝ちを狙っているとは試合前には言うんですが、ただ、実際に蓋を開けてみるとどこもドン引きだった。
 だから韓国ももし向こうでうちに先勝していたら、引いて守っていたと思う。だからすごいそういう割り切りが見えましたね」

Q:国際大会での戦いを実感できたと。

「今までヨーロッパのチャンピオンズリーグとか見ていて、強いチームでもアウェイだったら引き分けでOKとか言いますよね。相手が知名度の低いチームで、ACミランとかでもね。それに対して『えっ?』って思うところがあった。それが今回のACLで『そういうことなのか』ってわかりました。あれは絶対にJリーグでは味わえない」

■サッカーできる喜び
Q:中村選手もそうですし、このチームもそうですが、(日程が)ハードだからと文句を言う選手はいないですね。たとえばACLであればみんなが名誉なことだと口にする。中村選手も代表に行ったら行ったで、大変だと言うことは口には出さず、『行けることがありがたい』という話をしますね。


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「今までそういうことがなかったですし、フロンターレが成長してチームで頑張って代表にだって行かせてもらっているし、弱音は吐けない。出られない選手、選ばれたくても選んでもらえない選手もたくさんいる訳ですし」

Q:ACLで敗退してしまった事は今後のシーズンに影響は?

「影響はすると思いますが、そんな事は言っていられない。すぐに試合が来ますし。こういう時にみんなでしっかり歯を食いしばってやるのが力になっていくと思うんですよね。ここで切れるのは簡単だと思うんですが、そうはしたくない。今まで戦ってきたその積み重ねがもったいない。一つとしてムダな事はない。その状況で100%を出し切るのが選手の役目ですし」

Q:敗退が決まったホームでのセパハン戦が、フロンターレが昇格した日(9月26日)と同じ日付だったという事を言われていました。そして3年前はJ2だったという話もしてくれましたが、そう考えると、この敗戦をどう次につなげるのかが大事になってきますね。

「そうやって悔しい思いを力に変えてきたチームなので、それは選手だけでなくチーム、フロントというようなチーム全体でやっていきたい」

Q:ACLは出るのは大変な大会ですが、一度経験するともう一回出たいと思いますよね。

「出たいですね。悔しいもん。負けた、という感じではないだけにね。確かにお互いに頑張った結果、PKで負けましたが、うーん、という感じ。釈然としない。それはたぶんみんな思っています」

■ACLからナビスコカップへ
Q:ACLは残念でしたが、近いところではナビスコカップがあります。去年準決勝で敗退したあの経験を踏まえて、横浜FMというチームにはどうぶつかっていきますか?

「今はまだ考えてないですね(注:9月28日に取材)。正直な話。直前になって初めて考え始めるのかなと思います。試合まで期間がある時と直前とではまた心境も変わっているかもしれないですし」

Q:去年のナビスコカップの準決勝の2試合(千葉戦)は思い出したりします?

「今はないですね。試合直前になったらわからないですが。ただあの悔しさは忘れていません」

Q:去年の準決勝での敗退の場面は、03年の最終節とか、セパハンに負けた後の凹み具合と似ていたなぁと思ったのですが、そういう悔しさを忘れてはいけないと。

「そうですね。それがあるから、準決勝まで勝ち上がれてきたんだと思います。予選リーグ無しでいきなり決勝トーナメントを戦うのも、難しいですよ」

Q:なおかつ中村選手はいなかったですからね。

「もう、すごくうれしかったです。あれはベトナムにいた時。最初『負けた』って聞いて『えっ?!』って思った。2戦目の時も逐一携帯をいじくったりして聞いていて、バスで移動する中でも状況が変わっていて、1-2で負けているって話になって落ちこんでいました。そうしたら残り時間も5分くらいのところで3-2になって、部屋に帰ったら電話がかかってきて『クロ(黒津勝)が点を取った』と。その後ずっと携帯の前で祈っていたから。『お願いします。お願いします』って。だからすごく嬉しかった」

Q:話は変わりますが、今年成長を実感できたことというのはありますか?

「去年はそうじゃなかったんですが、どの試合でもマークされるようになって、その中で今までと同じプレーをするという事を決めています。それができた試合もあればできなかった試合もあった。そうやってマークされながらも平然とやるようにならないともう一つ上のレベルには行けないと思っています。自分が成長したかどうかは別として、でも今はそういう過程にあるのかなとは感じます」

Q:試合中にマークされるという新しい状況が生まれてきて、それに対して挑戦のテーマが見つかった訳ですね。

「そうですね。マークされるのを受け身にとらえるんじゃなくて、自分に来ているというのは向こうもイヤだと思っているって事だと思いますし、もっと向こうの思惑を越えるようなプレーをね。それは個人的にもそうだし、チームで連動してやるという事もある。そういう段階に来ているのかなと、思います。これでまたマークが剥がれれば別なんですよね。この前のセパハン戦もそう。最近はずっとそういうイメージがありますね」

Q:そういう意味で日々成長されていると思うのですが。

「成長が止まったら辞める時だと思います。自分でもっとうまくなりたいと思わなくなったらダメですね。それはいくつになってもね。『まあいいか、この辺で』って思ったら辞める時だと思います。それって気持ちが折れているって事だと思うので。向上心を持ち続けないと、この世界はすぐに食われる。次々と新しい選手は出てきていますからね」

★中村憲剛選手 Meets JウイイレCC
Q:ウイイレ歴は?


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「コナミさんとは長いですよ。スーパーファミコン時代から。実況ワールドサッカーという時代からです。そこから始まってプレステの「J.LEAGUE 実況WINNING ELEVEN」からずっとです」

Q:今までの中で一番おもしろかったバージョンは?

「オレ、結構全部おもしろい。それは別に大丈夫なんですよ。(バージョンによって)難しくてもそれを克服すればいい。普段と一緒ですね。
同じシチュエーションというのは、ほとんどない。だから結構これはいいですよ。教科書的に役立つ事がありますね。実際のプレーにフィードバックできるところもありますよ。引き出しが増えていると勝手に思っています」

Q:たとえばゴール前の崩しの形とかが収納されていくという意味?

「実際のプレー時にそれを思い出しはしないけど、手が勝手に動くのと同じように足が動くって信じていますけど」

Q:ゴールシーンって興奮しますよね。

「だからその試合自体はおもしろくなくても、点が入るともう一試合やっちゃおうかなっていう、そういうのはありますね。魔力というか。だから止められない」

Q:どんなプレースタイルなんですか?

「うちのカミさんからは、(操る選手が)全部中村憲剛に見えると言われます。自分が操作している選手がオレっぽいって。『どんなんや』って話なんだけど(笑)。なんでもかんでも前を向くからね、ゲームでも。相手がいようがいまいが。だから結構選手によって色は出るんじゃないですかね」


Q:では1試合やってみますか。


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ということで、ナビスコカップ準決勝で対戦する横浜FM(コンピューター)を相手にプレーしていただきました。

「(ポジションは)結構いじりますよ。マリノスと等々力(ゲーム中は中原競技場)で」と素早く設定する中村選手。「タニが右に入っているという時点で違うんだよなぁ(笑)。ジュニがCF。うちはWBという感じではないよね。攻撃的にしよう(両サイドを高めにして最終ラインも前目に)。オレ、(セッティングは)早いよ。もう決まっているから」あっという間にスターティングメンバーを選んでいきます。
「(ゲームでの初期設定では)キャプテン宏樹さんだ。これ、オレでいい?いいッスか!一応、そこはオレでいいッスか。これは事実なんで、これはしょうがない事実なので。申し訳ないけど(笑)」と細部まで忠実に再現してくれました。
いよいよ試合開始となりますが、リアルな選手入場の場面で「おっ、スゲーお客さんが入っている」とボルテージを上げる中村選手。
試合開始から「行け、ショージ(村上和弘)。部屋の灯り消してもらっていいですか。これの方がいい」と集中している様子。
「おいっ、我那覇!(笑)。ああっ!(決定機を外す)ファールやン。ああっ!!ホントに、へっぽこです。この選手、へっぽこです(ミスしたのは中村憲剛選手)。(ゴール前のチャンスで)はい、自分で。おいしいところにいるよ(笑)」と見事自らが操る『中村憲剛』でゴール!その後も終始ボールをキープし次々と攻撃を仕掛け、ゲームに熱中する中村選手。結局3-0で横浜FMに勝利を収めました。
Q:ウイイレをプレーするのは?

「体を休ませる時ですね。これは手だけを動かせばいい。だけどイメージはできる。一石二鳥。さっきガナ(我那覇和樹)が点をとった場面(細かくパスをつないで右サイドの森勇介に展開。そこからのクロスで)みたいなイメージ(ゴール動画はこちら!)。大事です。まあ、ディフェンスに関してはリアリティには欠けている所はあるんですけどね。そんなには空かないので」

Q:でもイメージするというところでは。

「役に立っていますよ。実際の試合で同じ瞬間はないですからね。自分の中でどれだけ多くの引き出しを持っているのか、というのが大事ですから。そんな気がします」

Q:これからのいいパフォーマンスのためにも、イランにも持って行っていたようですし、遠征にも持っていってウイイレでリフレッシュしてください。

「それいい流れですね(笑)」

以上

取材日:9月28日
インタビュアー:江藤 高志

J's GOAL×JウイイレCC 2007ウイニングイレブン特集リンク

★ホームゲーム イベント情報
■ヤマザキナビスコカップ 準決勝 第2戦
10/13(土)15:00キックオフ/等々力
川崎F vs 横浜FM

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チケット情報
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チケットは好評発売中です。詳細は川崎フロンターレ公式サイトをご覧下さい。

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イベント情報
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※イベントの詳細は川崎フロンターレ公式サイト( http://www.frontale.co.jp/ )でご確認ください。

■(1)バンダイハーフタイム抽選会
配布場所 競技場入場時 ゲート5番、7番
時間・数量 開門時より、先着10,000名様に抽選券を配布。
○賞品
FGガンダムエクシア 100名様

○受取方法 10月13日(土)横浜F・マリノス戦の際に、ゲート5番、7番から入場された方、先着10,000名様に抽選券を配布、ハーフタイムにオーロラビジョンにて当選番号を発表。

○賞品の引き替え
試合終了後、総合案内所と道路を挟んで向かい側の「プール前広場の特設テント」(試合終了後30分まで)にて実施

■(2)サッカーアトラクション
時間 開門(13:00)〜試合開始(15:00頃)
場所:バックスタンドASAキッズランドスペース
対象:全年齢対象(大人参加可)
内容:キックターゲット・ドリブルチャレンジ
賞品:ヤマザキナビスコ提供「チップスター」等
費用:参加無料

■(3)キッズイレブンハーフタイム抽選会
時間:ハーフタイム
場所:バックスタンドASAキッズランドスペース
対象:「抽選会参加整理券」を持っている小学生以下のお子様
※参加整理券は試合前のナビスコキッズイレブンで配布
○賞品
◇10月13日両クラブ登録(ベンチ含む)全選手サイン入りフェアプレーフラッグ『1名様』
◇決勝戦に進んだ場合、参加者(小学生以下)の中から前座イベントに出場する11名を選出。

■(4)モバイルフロンターレ来場者プレゼント企画
オフィシャル携帯サイト「モバイルフロンターレ」で毎試合ホームゲームの際に実施している「来場者プレゼント企画」。当日会場でのみ発表されるキーワードを入れて、申し込みするだけ!

○応募 オフィシャル携帯サイト「モバイルフロンターレ」のTOPページからご覧下さい。

■(5)「ASAキッズランド」
競技場内に常設している「ASAキッズイレブン」(協力:オフィシャルサプライヤー「川崎朝日会」)。当日は、ナビスコカップ開催を記念し、「ナビスコキッズランド」を実施(ASAキッズランドスペースにて)

■(6)ハイタッチキッズサービス
試合終了後に、川崎フロンターレの勝利時のみ実施。ピッチ上で選手と勝利をわかちあう「ハイタッチキッズ」は、通常通り実施。



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