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20府県、1円から領収書 政務調査費 15議会は今秋

2007年10月09日06時14分

 不透明な使途が指摘されている地方議員の政務調査費について、15府県議会が今秋、「1円以上」の領収書を添付する方針を決めたり、条例化したりしたことが分かった。今年春までは5議会にとどまっており、この秋で一気に増えた。7月の参院選で大敗した自民党は、政治資金収支報告書への「1円以上」の領収書添付を検討しているが、「政治とカネ」に対する国民の批判は、地方政治にも影響を与えているようだ。

 朝日新聞が47都道府県議会に聞いたところ、大阪府議会は9月、全支出に領収書添付を義務づける条例案を可決。福井、静岡、徳島などは9月に議会の検討委員会や会派代表者会が方針を決め、10月に入っても青森、栃木、京都などで相次いで方針が決まった。多くが来年度の条例施行を目指している。

 今春まで、政務調査費の全支出に領収書添付を義務づけたのは長野、岩手、鳥取、宮城、新潟の5県議会にとどまっていた。添付に消極的だった議会からは「すべて公開すると政治活動に支障が出る」「手間が繁雑で本来の活動に影響が出る」との声があがっていた。

 今秋、相次いで全面公開に進んだ理由について、各議会は「県民に説明責任を果たしたい」(青森)、「政務調査費は税金で、全額添付しないと県民の理解は得られない」(山形)などとしている。当初、1万円以上に限って公開する話もあった佐賀は、透明化を求める世論をふまえて「1万円以上だと説明がつかない」と全面公開を決めたという。

 全面公開の20議会以外にも動きは広がりつつある。5万円以上の領収書添付を6月分から始めた兵庫では、9月議会で「1円以上」に改める条例改正案が複数の会派から出された。5月分から1万円以上の領収書添付を義務づけた三重でも、議長が「1円以上」の検討に言及している。

 政令指定市の議会でも、千葉市が10月に1円以上の領収書添付を義務化する条例改正をした。すでに施行している市を含め、領収書添付は17市のうち7市になる。

 「政治とカネ」をめぐり、中央政界では国会議員の政治資金が問題になった。3月に松岡農水相(当時)の事務所の光熱水費の不透明な支出が発覚し、7月には赤城農水相(当時)の事務所をめぐる領収書の二重計上も判明している。

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