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平成19年10月3日

9・29検定撤回沖縄県民大会 「11万人参加」 実は4万強

事実歪曲で「県民総意」演出、6月大会は4倍で発表

 沖縄戦で旧日本軍が「集団自決」を強制したとの記述を削除した教科書検定に対して、町村信孝官房長官は一日の記者会見で「(教科書の記述訂正・修正について)関係者の工夫と努力と知恵があり得るのかもしれない」と訂正を容認する方向を示唆した。政府首脳部を動かした大きな要因は九月二十九日、沖縄で開催された「教科書検定意見撤回を求める県民大会」である。この大会を検証する。
(編集委員・鴨野 守)


 沖縄県宜野湾市の宜野湾海浜公園で開かれた同大会の参加者を主催者は十一万人と発表。「復帰後最大の大会」と形容し、歴史的大会だった、と地元メディアは位置付けた。その上で「『集団自決』の事実を、沖縄戦の歴史を歪めることは許さない。舞台を静かに見据えた瞳はそう語っていた。政府は、この二十二万の瞳にこたえよ」(沖縄タイムス三十日付)、「集団自決―検定意見の撤回を急げ」(三十日付朝日新聞社説)と、政府に検定の見直しを強く迫った。

 しかし、沖縄県警の調べでは大会参加者数は約四万二千人。ある公安関係者は「あの場所にぎっしり入ってせいぜい五万人。当日、会場に行ったが、まだ隙間(すきま)があった」と語る。

 会場となった宜野湾海浜公園多目的広場の敷地面積は、立ち木および歩道部分を含めて、二万四千六百平方メートル。一平方メートルに二人が入ったとしても五万人には満たない。

picture 9月29日、沖縄県宜野湾市の海浜公園で開かれた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」=敷田耕造撮影
 左翼団体が主導するこうしたイベントの場合、その参加者を三、四倍に“水増し”するのは常套(じょうとう)手段だ。今年六月九日、「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さない!県民大会」が那覇市の県民広場で開かれた。同実行委員会は六十三団体で構成され、五千人規模を目指した。主催者は「約三千五百人が参加」と発表したが、現場を取材した本紙沖縄支局員が数えたところ、九百人にすぎなかった。県警調べも九百人。東京新聞は「約千人」と報じた。

 この時、主催者は、沖縄県民が教科書検定結果にあまりにも無関心であることを痛感し、愕然(がくぜん)としたという。そのため、九月の県民大会の会場や日時が二転三転したのは、「どうしてもこの大会を失敗できない」という事情があった。中高、専門学校、大学では教師が生徒や学生に参加を呼び掛け、当初、その日の午後に予定されていた行事を変更や中止した学校まであった。さらに、会場までの無料バス乗車券を地元新聞に入れたり、動員に向けて各種団体への厳しい「締め付け」が行われたのである。

 大会の様子を見てきたある宜野湾市の市民は「あれだけあおって、あれだけ参加を強制しても五万人の目標に届かなかったというのは結局、失敗したとみるべきでしょう。それを十一万人とウソの数字を出した主催者も大々的に報道した地元メディアも事実を歪曲しています。県民の総意という報道も間違いです。政府や文部科学省が、沖縄の左翼運動に惑わされてはいけません」と語った。

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