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海自の契約「8千万円割高」 物資搬送で日通に委託

2007年10月04日06時05分

 海上自衛隊が弾薬など物資の搬送を大手運送会社「日本通運」(東京都港区)に委託した際、搬送価格が平均的な価格に比べ、割高だったことが会計検査院の調べで分かった。積み方や輸送方法を工夫すれば、もっと安くなるケースもあったといい、検査院は「04、05年度で、計8千数百万円の経費削減が可能だった」と指摘した。海自は今年4月から契約や輸送方法の見直しを進めているという。

 海自はこれまで弾薬やエンジンなど資材の陸送を日通に委託してきた。特殊性の高い業務であることから、随意契約を結んでいたという。

 しかし検査院の調べでは、大きさや重量が通常の規格の資材の場合、海自と日通の搬送価格は、国内の物価を調査する財団法人「経済調査会」(東京都中央区)や「建設物価調査会」(同)が示す平均的な価格に比べて割高になっていた。

 例えば、トラックを借り切って専用に搬送していたケースでは、他の荷主の貨物と混載することで安く抑えることができると指摘。また弾薬やエンジンなど特殊な物資の場合でも、積み方を工夫すれば少ない台数で搬送が可能になるケースもあった。鉄道のコンテナ輸送の方が安くなる輸送距離が200キロメートル以上の場合でも、割高なトラックを使っていた事例があったという。

 検査院は「海自の貨物は特殊だという意識が強すぎた。工夫をすればコストを下げる余地がある」と指摘している。

 海自は今年4月から契約価格の見直しや競争入札の導入を進めているという。検査院の指摘については「検査院の調査中であり、コメントは控えたい」としている。

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