郵政・日通が宅配便統合へ 来秋めどに新会社2007年10月05日17時37分 民営化した日本郵政グループの郵便事業会社と日本通運は5日、宅配便事業を統合し、来年10月をめどに新会社を設立すると発表した。民営郵政初の大型統合案件となる。宅配便取扱数シェアは、日通が3位、郵便会社が4位だが、統合でシェア2割程度になり、それぞれ3割超を持つヤマト運輸、佐川急便の2強を追いかける。
日本郵政が大型事業統合に動いたのは、民営化で公社時代に制限されていた企業への出資が基本的に自由になったため。分社化した郵便会社は利益率が低く、早期に事業のてこ入れを図るには、他社との統合が近道との判断も働いた。 両社は「包括的かつ戦略的な業務上の提携関係の構築」で基本合意。宅配便の新会社には、設備資金、顧客基盤、人材、物流機能、施設、設備、情報システムなどを提供する。また、宅配事業以外の提携も検討していくという。 現在、郵便会社は「ゆうパック」、日通は「ペリカン便」名で宅配事業をしている。統合でブランドをどうするかは今後詰める。新会社は持ち株会社の日本郵政か、郵便会社の子会社とする。日通の出資比率や、新会社の資本金などはこれから決める。 国土交通省などによると、06年度の宅配便シェアは日通10.7%、郵便会社8.4%。日通は企業向け配送事業に強いが、宅配事業のシェアは10年前の2割から落ちている。郵便会社は全国津々浦々に集配網を持つものの、シェアは目標の1割に届かずにいた。 統合で、郵便のネットワークを最大限に活用すれば、非効率な地方でも1回あたりの配送個数増や重複する人員の再配置などでコスト抑制につながりそうだ。価格競争力も高まり、宅配業界での価格競争が進む可能性もある。
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