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犬の搬入をめぐり、滋賀県警の警察官とにらみ合う地元住民ら(6日午後11時25分・高島市今津町酒波) |
滋賀県高島市今津町酒波(さなみ)の犬舎施設で大阪市の動物愛護団体「アーク・エンジェルズ」(林俊彦代表)が多数の犬の飼育を計画し、住民が反対している問題で、アークエンジェルズは6日未明、車2台で初めて犬の搬入を図ったが、住民が施設への道路に立ちふさがって阻止した。同日午後9時すぎ、再び搬入を図り、これを阻止しようとした住民に対し、高島署などの警察官数十人が道路からの看板撤去などを呼びかけて緊迫した状態が続いた。7日午前零時すぎ、車は立ち去り、警察も住民に看板の撤去などを指導して引き上げた。
5日午後10時半ごろ、犬を乗せた車が大阪を出発したという情報が住民に伝わった。6日午前1時ごろ、林代表の乗ったワゴン車が犬舎施設近くに到着すると、酒波など4地区で組織する「アーク・エンジェルズの進出反対期成同盟」(大森六己会長)の住民約200人が「帰れ、帰れ」とシュプレヒコールを上げて道路に座り込み、にらみ合いが続いた。市幹部が林代表に、後日再び住民代表と話し合う案を提案したが、最終的に決裂し、午前9時すぎ、ワゴン車は引き返した。
午後9時10分ごろ、再びアークエンジェルズのワゴン車が訪れ、監視を続けていた住民約100人が立ちふさがった。現場に出動した高島署などの警察官約30人が「道路交通法違反にあたります。看板を撤去してください」と呼びかけたが、住民は幅数メートルの看板で道路をふさぎ、押し問答になった。7日午前零時ごろ、ワゴン車はUターンして道路を引き返した。
アークエンジェルズは今年4月、皮膚病の疥癬(かいせん)が完治したとされる犬約80匹を運び込む計画を明らかにし、環境悪化をおそれる住民が反対運動を起こして、知事や市長に指導を要望。アークエンジェルズと住民の話し合いも2度行われたが平行線のままだった。
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