「肩の荷下りた」伊東監督涙の西武退団

2007年10月6日（土）06:13

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(スポーツニッポン)

　【西武６―２ソフトバンク】２６年ぶりのＢクラスとなる５位に低迷した西武の伊東勤監督（４５）が５日、今季最終戦となったソフトバンク２４回戦（ヤフードーム）の試合前に小林信次オーナー代行兼球団社長（５９）に低迷の責任を取って退団する意向を伝え、球団も了承。現役時代を通じて２６年間も慣れ親しんだユニホーム姿で臨んだ試合後の会見では人目もはばからずに涙を見せた。なお、パ・リーグはこの日、今季のレギュラーシーズン全日程を終了した。

　涙をこらえられなかった。今季最終戦後、敵将の王監督から花束も受け取った伊東監督はユニホーム姿で会見に臨んだ。「監督になっての４年間でやっぱり女房が大変だったと思う」。家族の話題に触れると、号泣した。そして「日本で監督は１２人。それを現役引退後に即やれたのは幸せ者。堤前会長（前球団オーナー）に恩返しのつもりでやっていた」と球団への感謝を述べた。

　今季限りでの退団を決断したのは試合前。この日に福岡入りした小林社長に「責任を取ってユニホームを脱ぎたい」と申し出て了承された。会見に同席した同社長は「伊東監督はミスターライオンズ。残した功績を無にしないよう、来季は日本一を目指す」と語った。

　表面上は「辞任」だが球団は９月上旬に後任監督に渡辺久信２軍監督（４２）の内部昇格を軸に来季新体制の検討を開始。前日４日までに伊東監督に来季契約を結ばない意向を伝えた模様だ。試合後には土井正博ヘッドコーチ（６３）、荒木大輔投手コーチ（４３）も退団する意向を表明。植田幸弘バッテリーコーチ（４３）、清水雅治守備走塁コーチ（４３）、原井和也守備走塁コーチ補佐（３９）の解任も濃厚で１、２軍スタッフは大刷新される。早ければ６日に渡辺２軍監督の新監督就任が発表される見込みだ。

　伊東監督は就任１年目の０４年にチームを日本一に導いたが、今季は１０連敗を喫するなど５位に低迷した。「肩の荷が下りた。家族とゆっくりしたい」。最後は晴れやかな表情で慣れ親しんだユニホームに別れを告げた。

　＜戸惑うナインたち＞選手は試合直前に伊東監督から退団の意向を告げられた。一様に戸惑いの表情を見せたが、指揮官のラストゲームに快勝。最後はベンチ前に整列して握手で別れを告げた。チームリーダーの和田は「責任をとったのだと思うが、必要な監督だった。もっとやってほしかった」と悔しさをにじませ、今季、盗塁王に輝いた片岡は「打てなくても、伊東監督が起用してくれたおかげ。感謝しています」と頭を下げた。

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