県林務部はこのほど、今秋のツキノワグマの出没について、出没が相次いだ昨年に比べ少なくなるとの予測を発表した。クマの餌となるコナラやミズナラなどドングリの実の付き具合を調査した結果、「不作~凶作」だった昨年から、「並作~不作」に好転したため。しかし、同部森林整備課は「昨年の異常出没で里に慣れてしまったクマが今年も出没する可能性はある」と注意を呼び掛けている。
調査は今年8月に行われ、コナラ・ミズナラは「並作~不作」、ブナは「不作」、クリは「並作」との結果になった。同部によると、クマは冬眠に備えて秋にドングリなどを食いだめするため、山に実が少ないと餌を求めて人里に出没する傾向があるという。ドングリなどが凶作だった昨年度は、人が襲われる被害が16件と頻発。うち2人は死亡した。
今年4~8月までの県内のクマの目撃数は、足跡など痕跡の目撃も含め計1250件。昨年同期の1933件に比べて減少している。【神崎修一】
毎日新聞 2007年10月6日