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ふるさと納税制度固まる 住民税1割を上限

2007年10月05日23時10分

 住んでいる自治体に納める個人住民税の一部を他の自治体に回せるようにする「ふるさと納税」の仕組みが固まった。総務相の諮問機関「ふるさと納税研究会」が5日、最終報告書をまとめた。他の自治体に寄付をすると、そのぶん住民税の納税額を控除する方式をとる。ただし、5000円は事実上の手数料として控除の対象から除くほか、納税額の1割を控除の上限とする。本籍地や出生地といった「ふるさと」以外への寄付にもこの制度を適用する。

 総務省は08年度税制改正にこの制度を盛り込み、来年の通常国会への改正法案提出を目指す。

 自治体への寄付に関する控除としては、国税である所得税の寄付金控除制度がすでにある。二つの制度を活用すれば、(1)寄付金から5000円を差し引く(2)寄付金控除制度による所得税の軽減分をさらに差し引く(3)差し引いた後の金額が住民税額から控除される――という仕組みだ。

 給与収入が年収700万円の夫婦と子ども2人の標準的世帯の場合、住民税額は29万6000円で、3万7888円までの寄付なら手数料5000円分を差し引いた分が全額控除される。

 「ふるさと納税」は、都市と地方の税収の格差是正などを目的に、菅義偉・前総務相が提唱した。ただ、住んでいる自治体からサービスを受ける見返りに住民税を払うのが原則のため、「ふるさと」への直接の納税ではなく寄付とする形に落ち着き、1割という上限も設けた。このため、都市と地方の格差是正の効果は薄いとみられている。

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