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ブラックウォーター事件、目撃者2人が惨劇を語る

2007.10.03
Web posted at:  10:58  JST
- CNN

バグダッド(CNN) 米警備会社ブラックウォーターUSAの従業員が先月16日、イラクの首都バグダッド市内の銃撃戦で民間人を死亡させた事件で、当時現場で交通整理をしていたイラク人警官が1日、CNNに対して、民間人に発砲したブラックウォーターの警備員らが「テロリストに攻撃されていないにもかかわらず、テロリストと化した」と語った。

この警官サルハン氏によると、ブラックウォーターの警備員らは、4台の車列で事件現場のヌスール広場に「神経質な様子」で入ってくると、同氏に水のボトルを投げつけ、違う方向に向かった。警官隊はブラックウォーターの車列が通行できるよう、民間人の車両を停止させていた。

すると警備員らは5─6回発砲し、1発が若い男性とその母親が乗っていた車に命中、男性が死亡した。発砲は威嚇目的だった可能性がある。同氏はおとり警察官とともに、車がブラックウォーターの車列に接近しないよう止めようとしたが、間に合わなかった。

サルハン氏は「(ブラックウォーターの警備員らは)直ちにわれわれに向けて激しく発砲した。車列から四方八方に銃を乱射し、対向車に乗っていた人々や路上にいた人々全員を銃撃し、殺害した」と語った。銃撃は約20分続き、15台の車が破壊され、犠牲者の遺体が路上に散乱した。ブラックウォーターの警備員に発砲した者は誰もいなかったという。

また、4人の子どものうち9歳の息子が事件の犠牲となったバグダッド市内のビジネスマン、モハメド・アブドゥル・ラザク氏は、補償金は不要であるものの、警備員らに「真実を認めてほしい」と語った。ラザク氏は当時、ブラックウォーターの車列とほぼ同時に、車でヌスール広場に差し掛かった。ラザク氏の車は停止を指示されたが、現場が安全な地域であるため、車列通過の都合で一時停止するのは通常通りだと考えていた。しかしその直後、ブラックウォーターの警備員らが無差別発砲を開始し、後部座席に乗っていた息子の頭部に銃弾が命中。ラザク氏の車には、銃弾の跡が36個も開いた。

ラザク氏は「車内から脱出しても、現場から移動しても、車中にとどまっても殺害されただろう。小型車から逃げた男性が銃撃されるのを見た。男性が血まみれになっても銃撃が続いた。映画の場面のような地獄だった」と語った。

ブラックウォーターは米政府から、バグダッド市内における米外交官の警備を請け負っている。同社は、従業員が武装勢力の攻撃に適切に対応したと主張しているが、米国務省は同社の業務の実態について調査に乗り出した。

下院監督政府改革委員会の民主党スタッフは、事件で「相当の死傷者と物的損害」が出たと報告。しかしブラックウォーターのプリンス会長は、事実無根だと反論している。




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