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民主党「沖縄集団自決」教科書検定見直しを要求 参院決議提出へ
民主党は1日、沖縄戦で「集団自決を日本軍が命令した」などとする記述が削除された今年の高校日本史教科書検定をめぐり、検定を撤回し見直すよう求める国会決議案を、参院へ提出する方針を固めた。2日の党役員会で協議のうえ、他の野党へ協力を呼びかける。今月中旬の可決を目指している。
決議案が提案されれば、共産、社民両党の賛成を得て参院で可決の公算が大きい。国会決議に法的拘束力はないが、民主党は「国会の意思を政府が無視するのは困難だ」(幹部)とみている。“リベラル派”の福田康夫首相の登場を受け、民主党が参院決議を用いて「歴史問題」を突き付けた形だ。
決議案原案は「集団自決が、日本軍による強制・誘導・関与等なしに、起こりえなかったことは紛れもない事実」と明記。「検定結果の中立公正性に疑義が生じている」として、検定手続き後の再審査を認めていない現行の教科用図書検定規則と今回の検定自体の見直しを求めている。
この問題をめぐっては、鳩山由紀夫幹事長が9月28日の記者会見で「共生を重視する福田政権なら、誤ったときに認める度量が必要だ」と発言。菅直人代表代行も同日、沖縄県宜野湾市で開催された教科書検定抗議の「県民大会」に出席している。
一方、町村信孝官房長官は1日の記者会見で、「(削除検定を)訂正、修正できるのか、関係者の工夫と努力と知恵があり得るかもしれない。渡海紀三朗文部科学相に検討するよう指示している」と表明した。ただ、民主党が検討の見直しを要求していることについては「政治の思惑で(教科書の内容が)揺れ動くのは決していいこととは思わない」とも述べた。
福田康夫首相は同日、教科書検定抗議の29日の「県民大会」に11万人が出席したことについて、「ずいぶんたくさん集まったねえ。そういう沖縄県民の思いは、私も分かります」と述べた。そのうえで検定見直し問題については「検定制度があるので、まずは文部科学省の方でどうするかだ。私の方から言う立場にはない。官房長官が(文科相に対応を指示)したかは知らない」と述べた。