中学生が数名体育館に来た。
「今日,文化祭だったんですけど,3年生の女子が先生のこと言ってましたよ。」
と言う。
「なんのこと?」
4人が一気にしゃべりだす。
「あ〜わかんない。さっぱりわかんない。」
「だから,3年生のYunaという人が意見発表会で,ごはんの話をしていました。」
「あ〜わかんない。さっぱりわかんない。」
「『小学校時代のある先生が言っていたことです』って言ってたよ。先生のことでしょ。」
「あ〜わかんない。さっぱりわかんない。しかも,先生のクラスじゃないよ。隣のクラス。先生はごはんじゃねえ。」
「黒くなるご飯,黄色くなるご飯の話さあ。」
「・・・・・。」
「先生,私達にも話してくれたでしょ。言霊の話。」
「あ〜わかった。でも,隣の学級の子が何で知っているのかなあ?」
「詳しく言ってましたよ。『水からの伝言』の話も。」
中学校の文化祭で意見発表会らしきものがあったらしい。
そこに『言霊』の話をした子がいたそうだ。
私は以前,ごはんに言葉をかけ続ける実験をしたことがある。
ビンに入れたご飯に「ありがとう」「天使」「ばかやろう」「死ね」「悪魔」と
書いて毎日その言葉を子ども達とかけ続けた。
すると,色が変化し,においが変わった。
前の二つの言葉は黄色に変色し,こうじのにおいがした。
後ろの三つは黒く変色し,カビが生え,ふたを開けられないほどの悪臭になった。
その出来事はビデオにも収められている。
卒業式で卒業生からのメッセージにもなった。
(実物を提示して)
その話を覚えていたのだろう。
うれしいような,恥ずかしいような不思議な感覚になった。
そして,教育の重さと責任を感じた。