謝ることはないそうです
先日、
「 心から謝罪させていただきます 」
という記事を書きました。
「あの件(コメントアーカイブス民法の疑問24の内容はおかしいか)」
について、私はその後もずっと気にかけていました。
しかし私はどうやら、謝る必要はないようです。
「場合によっては、講師もやめよう」
とまで、私は思いつめていました。
ですから、この結論は拍子抜けでした。
学者の先生と、複数の実務家の先生に確認しましたから、間違いありませんよ。
「コメントアーカイブス民法の疑問24の内容はおかしいか?
私は、私の学校の講師に聞きました。
一人は、弁護士の先生(法科大学院試験対策担当)。
もう一人は司法書士の先生です。
二人とも、私のブログを見てくれました。
そして、同じことを言いました。
「どこがおかしいの?」
お二人の考えは、ほとんど同じでした。
簡単に書くとこうなります。
①この問題では、
「抵当権における物上代位は、相手が無資力でなくても行使できるか」
が問題となっている。
ここでは、物上代位制度にだけスポットを当てて考えれば足りる。
物上代位制度は、
「抵当権の本質は価値把握権だ」
ということに求められるから、債務者が無資力かどうかは、何の関係もない。
②この問題は、試験問題なので、
「他の制度と混同して覚えていないか」
問うている。
(よく似た名前の)「債権者代位」
と混乱して覚えていないか、問うただけのことで、債権者代位権の行使の場合の
「無資力要件の例外事例」
になんて、まったく触れる必要はない。
「債権者代位権も、無資力要件が不要な場合があるのはなぜか」
と
「抵当権の物上代位にはなぜ無資力要件が不要なのか」
とはまったく別の論点だ。
だから、このブログの説明で合っている。
「この方は何が納得できないのか、全然分かりません。」
「きょうちゃん先生はどうして謝罪するのですか?」
「きょうちゃん先生の考えで正しいですよ」
口々にそういわれました。
そして最後に、私は、こう言われました。
「そんなくだらない雑音は無視して、頑張ってください」
「うちの講座の受講生にもいましたよ!過去にこういう講師泣かせの人が」
「いらん理屈ばかりこねて、講師を困らせるんです」
「謝る必要はありませんよ」
「もし、このあともうるさければ、私が対応しても構いませんよ」
お二人の先生は、そこまで気を遣ってくださいました。
これでスッキリしました!
同じ質問を出身大学の教授(恩師です)にも問い合わせたところ、ほぼ同じ回答でした。
それどころか、
「こんなに短い回答で、よく的確に答えている」
と、お褒めの言葉まで頂きました。
やっと気持ちが晴れましたよ。
近いうちに
の記事は直します。
本当に良かったです。
みなさんの励ましのメール、コメント、本当にありがとうございました。
講師としての自信を、なくしかけていました。
でももう、大丈夫です。
みなさんに本当に感謝します。
そして、このようなきっかけを作ってくださった
「あの質問者に対しても」
感謝します。
ありがとうございます。
この件のおかげで、かえって私は
「講師の輪を広げる」
ことができ、普段交流のない、他の資格試験講座の講師との付き合いができました。
これは、ありがたいことです。
かつ、
「大きな自信」
をもつことができました。
短時間でしたが、恩師とも久しぶりに話しました。
かなり歳をとったなあと思いましたが、とてもお元気でした。
今回は、本当に勉強になりました。
ありがとうございます。
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こんにちは。
細かいことを真剣に考えてとことん悩んでしまうあたり、性分が僕と似ていて親近感を覚えました(^^;)
行政法で質問がありまして・・・。
不可争力(形式的確定力)・不可変更力(実質的確定力)とあるのですが、なぜ不可争力が形式的で不可変更力が実質的といえるのでしょうか?
もう1つありまして、「許可」について過去問で
「許可の要件が申請者の物的要素(設備など)である場合には、許可された地位は譲渡または相続の対象になりうる」
とあるのですが、許可の具体例で知っている各種免許はこれには当たらないと思うので、何か具体例があったら教えてください。
「受験的には、こんなこと質問しなくても・・・」と自分でも思いますが、細かいことが気になるのです(笑)
時間に余裕のあるときで結構ですので、お願いします。
ではでは。
投稿 アール | 2006年10月 3日 (火) 23時06分
アールさんへ
共感してもらえてうれしいです。
いちど気になりだすとダメですね。
細かいと分かっているんですがね。
①不可争力(形式的確定力)と不可変更力(実質的確定力)の
「形式的」「実質的」という言葉に、深い意味はないと思います。
大体、こういう言葉は、外国語を訳すときにいい言葉がなく、硬いネーミングになってしまったものが多いですね。
②「許可の要件が申請者の物的要素(設備など)である場合」
とは、例えば
「公衆浴場の営業許可申請」
です。
親父さんが許可を受ければ、その地位は息子に相続されるのです。
こんな例でどうでしょう。
①は細かいですが、②は重要です。
私は必ず講義で話しますよ。
投稿 きょうちゃんGOGO | 2006年10月 4日 (水) 01時25分
どうもありがとうございました。
「公衆浴場の営業許可申請」は良い例ですね。
知りませんでした。これを機会に記憶しておきます。
投稿 アール | 2006年10月 4日 (水) 23時19分
アールさんへ
具体例が浮かべば、理解しやすいですね。
これからも、どんどん質問を寄せてください。
投稿 きょうちゃんGOGO | 2006年10月 5日 (木) 12時48分