なぜかわかる
ある日のロースクールの授業でのこと。
私は、とある教授の授業に惹きつけられた。
ロースクールで教鞭を採られている教授陣はいずれも素晴らしい方々ばかりで、授業も明瞭で解りやすく、1時間半みっちりと引き込まれることが多いのだが、その教授の授業に対する私ののめり込み具合は、他の先生の授業とは一線を画していた。
なぜだろう、初対面のはずなのに、以前から知っているかのような錯覚に陥ったのである。
家に帰って、その教授について調べたところ、合点がいった。
なんと、同じ高校の出身だったのである(もちろん、私はその教授ほど頭の回転が早くない秀才タイプだったので、自分と教授を並べたいとかそういうことをここで言いたい訳ではない)。
実は、このようなことは今回だけではない。
これまで、大学や職場で、初対面の方であっても、他の人と接する時とは異なる深い親しみを感じることがあった。
それはいずれも、同じ高校の出身者だったのである。
だからどうこうというわけではないのだが、個人的に、とても奇妙な感覚である。
一つの高校の中にも様々な人がいるように、人にはそれぞれ個性が存在している。
それが、同じ環境で育ったというだけで、個性を保ちつつも、一定の共通した属性がその集団の構成員に付加されてしまうなんてことがあるのだろうか。
私は3年間しかその環境にはいなかったが、中学から高校まで6年間その学校に所属した方は、もしかしたらそういう感覚がより強いのかもしれない。
出身地が共通の人の間で通じ合うものがあるというのは、巷でもよく耳にする。
しかし、同じ出身校で通じ合うというのは、よくあるものなのだろうか。
とりとめのない話だが、不思議過ぎて勉強に集中できないので、ひとまず書いておくことにした。