こんにちは、えむしです。試写会に当選したので、公開数日前に「ひるね姫」をえむふじんと観に行ってきました。
ネタバレになるところは折りたたんでいます。
映画ひるね姫とは・・・?
「攻殻機動隊S.A.C.」や「東のエデン」を監督された神山監督の劇場作です。
今作「ひるね姫」も、その二作品ほどではないにせよ、SF要素がある作品でした。
公式サイト
予告編
あらすじ
主人公森川ココネは、岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている女子高生。
いつも居眠りばかりしているしている彼女は、不思議なことに同じ夢ばかり見ていました。
2020年東京オリンピックの3日前、突然父親が警察に逮捕され、東京に連れて行かれてしまいます。父が逮捕されるような事をしたとは思えないココネは、真相を解明するために幼馴染の佐渡モリオを連れて東京へ。
その旅の途中、ココネはいつも見ている夢にこそ、この事件を解決する鍵があると気づく。
夢と現実をまたにかけた、不思議な大冒険の末に見つけた、小さな真実とは・・・?
ネタバレあらすじと雑感
とてもざっくり話すと、死んだお母さんのプログラムがお祖父さん(母方の)の会社を救い、それがキッカケで最後は絶縁状態だった父と祖父が仲直り、と言う話でした。
旅の途中にココネが見ていた夢は、昔父がおとぎ話としてココネに語ったものを偶々思い出して見ていたもの。おとぎ話は、駆け落ち結婚した父と母との出会い、そしてその母と祖父との確執の話。
シジマ自動車の幹部渡部一郎による謀略により、ココネの父であるモモタローは不正アクセスで技術を盗み出したのだと、嫌疑をかけられていたのです。
モモタローは、普通の車に自動運転を後付けできる技術と装置を持っていました。それは不慮の事故で死んでしまった天才プログラマーの妻イクミの書いたプログラムを元に完成させたものでした。
東京オリンピックを3日前に控え、シジマ自動車ではオリンピックで使うことになる完全自動運転の車が完成させられず、社内はゴタゴタ。
渡辺は会社を救う手柄を自分だけのものにしようと、警察を欺き利用してまで、自動運転のオリジナルのコードが入ったタブレットを奪いに「森川モータース」へやって来るのでした。
ココネとモリオは父の無実を晴らそうとシジマ自動車の社長がいる東京へ。タブレットを奪おうとする渡部一郎によるココネへの追跡の手はなかなか止みません。
一方、警察の取り調べと良心的なシジマの社員によりなんとか父の疑いは晴れます。
その後ココネは魔の手を逃れ、とうとう自らの祖父である志島一心との面会を果たし、母のオリジナルのコードを彼に渡すのです。
一心はそれを元にオリンピックに完全自動運転の車を間に合わせ、シジマ自動車は窮地を脱します。
断絶していた父と祖父との和解も果たし、物語は幸せに幕を閉じました。
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夢で見るハートランドの世界は現実を比喩的に描いて表現したもの。
例えば「魔法」が母のプログラムのコードであったり「鬼」が世論?であったり・・・。その辺りを考えながら見るのも面白さを感じました。もう一度観て、答え合わせがしたくなるアニメです。
最後、「新型エンジンヘッド」が宇宙で鬼を倒すシーンはちょっと熱いロボアニメみたい、とえむふじんは語っていましたよ。
えむふじんによるイラスト感想
無愛想だけど、ちゃんと愛情はあるって言う父と娘の関係はとても良かったです。お母さんを事故で亡くしてしまっているのが悲しい・・・。
でも、ココネは父のモモタローが母の事を何も教えてくれてなかったと思っていたら、実は小さな頃からお伽話の形でずっと娘に伝えていたなんて素敵だと思いました。
東のエデンのジュイスを思い出したワンシーン。
魔法のタブレットは私も欲しい。
お弁当が謎の力で届けられます。
シジマ自動車と言う大きな車の会社の社長である父、志島一心と娘のイクミさんの確執は大塚家具のアレを連想させました。
この娘さんは主人公森川ココネのお母さんとなる人です。海外でプログラミングを学んだ優秀な人事でもありましたが、会社のやり方に反発し駆け落ち同然に森川モモタローと結婚し、親子の関係を絶縁します。
ハートランドの夢と現実とが境目なく自然に切り替わるので、視聴者である自分も気がつけば夢に入っています。そのお陰で知らぬ間に眠って夢を見ているココネの感覚とリンクしました。
これはエンシェンとモリオによる、夢のドライブ。このサイドカーのハーツも物語の鍵の一つ。
サイドカーの目が付いている丸いアレは、どこかタチコマみたい。
攻殻機動隊の2030年はこの映画の世界から見て10年後・・・。もしかして?
この映画、もしも観られるのならエンディングのアニメもしっかり見てください。
私は感情移入してしまったので号泣してしまいました・・・。
高畑充希さんの声が魅力的
高畑充希さんの柔らかいけど少し特徴的な声と眠たそうな演技は、方言の響きもあってかマイペースで前向きなココネの性格が感じられました。この映画だけじゃなく、他のアニメでもちょっと聞きたくなる声です。
女優さんや俳優さんが声優を務めるとよくある棒演技になる感じは全編通して全然なくて、とてもナチュラル。
タイマーズの忌野清志郎さんのイメージが強い「デイ・ドリーム・ビリーバー」を、ふんわりと歌い上げています。
モリオ役の満島さんは、満島ひかりさんの弟さんです。アニメ「僕だけがいない街」でも青年時代の藤沼悟を好演されていました。
2020年の自動運転に対する疑問
外付けの自動運転技術の雛形も既にオープンソースで存在していますし、テスラを始め色々な企業が自動運転の技術を獲得しつつある現状、3年後のオリンピックの直前でも自動運転が実現してないって言うのは、現実よりちょっと遅れているような気がしました。
そうでもないのかな?
テスラによる自動運転
最後に
「ひるね姫」は家族の絆を描く物語としては王道で、安心してファンタジーの世界を楽しめます。この作品の予告編を観て何かしらに魅力を感じるなら、劇場に足を運んでも決して損は無い映画です。
ただ、物語の随所に散りばめられるのは技術的な知識は少し浮いて見えるような気がしました。電脳空間の表現とかエデンシステムみたいな要素は、神山監督の作品の魅力の一つなんですが、「東のエデン」や「攻殻機動隊S.A.C.」みたいなワクワク感を呼ぶかと言うと微妙かも。
オススメ度
★★★☆
神山アニメが好きなら、最後の☆は★でも良いかも。
(★★★★★で満点)
ココロネひとつで
人は空も飛べる!
Huluでもひるね姫
宣伝になりますが、Huluでは「エンシェンと魔法のタブレット〜もうひとつのひるね姫〜」が視聴可能です。もしよろしければ無料体験での視聴はいかがですか?