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夫人の言葉詳細に…籠池氏、追及に恨み言連ね

参院予算委員会の証人喚問で自民・西田昌司氏の質問に答える学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長=国会内で2017年3月23日午前10時45分、竹内紀臣撮影

 「私だけを悪者にするような政府や大阪府知事の態度をみて、何かおかしいと思った」。大阪市の学校法人「森友学園」の小学校開校計画を巡る問題で、渦中の籠池泰典理事長が23日午前、参院予算委員会の証人喚問に臨んだ。小学校建設で安倍晋三首相から100万円の寄付を受けたと主張する籠池氏。「全ては国会で話す」として実現した証人喚問で、籠池氏は何を語ったのか。

 およそ5年ぶりとなる国会の証人喚問。午前9時58分、籠池氏が委員会室に入った。口を固く結び、一礼して証言台横の席に着席する籠池氏。時折笑みも見せたが、緊張しているのか、目をしばたたかせている。

 午前10時10分ごろ、籠池氏が話し始めた。「不行き届きについては反省します」。国や大阪府など窓口に応じて3種類の契約書を作っていたことを認め、謝罪の言葉を述べた。ただ、その後は違った。

 小学校設置の認可申請を取り下げた後、私だけ悪者にされている。手のひらを返したように人が離れていく--。恨み言を連ねる籠池氏。小学校開設に向けて、安倍首相の妻昭恵氏から、二人きりの席で「一人にさせてすいません。どうぞ安倍晋三からです」と寄付金100万円を受けたことを明かした。

 昭恵氏との密接さをうかがわせる証言。小学校用地として大阪府豊中市内の国有地を取得する際、昭恵氏に電話して助力を求めたことも打ち明けた。そして「この間に(国有財産を管理する)財務省で何が起きていたのか、聞いてみてほしい」と語った。

 籠池氏はまた、学校設置認可に向けて大阪府議会の議長経験者(故人)の力を借りたことも打ち明けた。この議長経験者について、松井一郎大阪府知事と近い人物とした上で、籠池氏は「当時の学校設置認可申請では、特別な取り計らいをいただいたものだと感謝している」と述べた。

 学園を巡ってさまざまな問題が浮上しているが、喚問の中心は安倍首相からの寄付金の真偽に関するものだった。自民党の西田昌司委員が「今のあなたの証言を聞くと、都合のいい事実は言えるが証明できない」とただすと、籠池氏はやや険しい表情を見せた。

 小学校計画は「安倍晋三記念小学校」の名称で寄付金を集めていた時期もあった。西田氏は「寄付金を集めるために使ったのではないか」と尋ねたが、籠池氏は少し言いよどみつつ、「そんなことはない。名称の使用を断られてから(寄付金の用紙を)すぐ焼却した」と答えた。

 証人喚問では、学校建設の工事費を巡る疑惑についての尋問もあり、籠池氏が「刑事訴追を受ける可能性があるので、お答えいたしません」と述べたり、「議員の質問は的外れであります」とかわしたりする場面もあった。【武内彩、遠藤拓、田辺佑介】

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