10月開業目指し駅ナカ ななつ星デザイナー担当
しなの鉄道開業20周年プロジェクト
しなの鉄道(長野県上田市)は開業20周年で取り組む軽井沢駅「駅ナカ」開発プロジェクトの概要を発表した。軽井沢町の同駅構内に子供や高齢者ら3世代向けのデッキ広場を設けるほか、北口に隣接する町所有の旧軽井沢駅舎記念館に駅事務室・改札を置き、駅として復活させる。4月に着工し、10月オープンを目指す。
施設の愛称は「森の子リス・キッズステーションin軽井沢」(仮称)。同鉄道の観光列車「ろくもん」やJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」をデザインした工業デザイナー、水戸岡鋭治さんが総合デザインを担当する。事業費は約2億5000万円。
計画によると、1、2番線と旧1番線のホームをデッキでつないで広場とし、一部に植栽を施して森のイメージを演出。ミニトレインやレールを走るバイクなど鉄道を身近に感じられる遊具、車輪が付いた移動型店舗を置き、遊びや飲食を楽しめるようにする。
改札などを設ける旧駅舎記念館は1階に飲食店、2階の旧貴賓室はろくもん乗客用ラウンジとする。記念館側の旧1番線ホームには子供が安全に電車の発着を見られる「キッズハウス」を設ける。
水戸岡さんは「子供も大人も楽しい時間と空間を過ごせる場所にしたい。他のどこにもないオンリーワンの駅広場ができたらいい」と話した。玉木淳社長は「地域の足を守るために挑戦し、軽井沢と沿線を活性化していきたい」と呼び掛けた。【武田博仁】