ワラサをゴマサバと偽装 魚市場に行政指導
(2017/3/18 08:31)-
静岡県は17日、水揚げされたワラサを伝票上ではゴマサバと改ざんして売買したとして、沼津市の沼津魚市場(佐藤孝行社長)に食品表示法と卸売市場法に基づく行政指導をしたと発表した。魚市場は漁業法に違反してワラサを漁獲した漁船に、引き続き市場を利用してもらおうと配慮したと説明している。競り落とした買い受け人は実物で魚種を判別していたため、販売先や消費者への影響はなかった。
魚市場は主に売買手数料収入で経営し、水揚げ高が多いほど利益が出る。県水産業局によると、漁業法に違反した漁船は魚市場の約3割を占める水揚げ高があった。どの市場で水揚げするかは漁船が任意で決められるため、魚市場は漁船が他の市場に移ることを避けたかったという。県の調べに魚市場と漁船は共謀を否定した。
県によると、魚市場は2016年10月27日に水揚げされたワラサ約32トンを「丸小サバ」(ゴマサバ)と伝票に記載して取引した。同28日には別の漁船が水揚げしたマメジ約2・4トンをアジと記載した伝票で売買した。漁業関係者から情報提供があり、1月から3月にかけて3回立ち入り検査した。原因究明や再発防止のほか、同様の違反の有無の調査を指示し、4月14日までに報告するよう指導した。
県の中平英典水産業局長は「県東部の要になる市場が不公正な取引をすれば市場流通に悪影響が出る。調査をきちんと行うかチェックしていく」と話した。沼津魚市場の佐藤孝行社長は「県の指導を厳粛に受け止めます」とコメントした。
水産庁指導監督室によると、漁船は大中型巻き網漁船。目的にしてはならないワラサを漁獲したとして停泊処分を科した。
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