別の学校法人、野党側が追及…首相、関与否定
社民党の福島瑞穂氏は13日の参院予算委員会で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める岡山市の学校法人「加計(かけ)学園」による国家戦略特区での大学獣医学部新設構想を取り上げた。政府が従来、獣医学部新設を抑制する方針をとっていたことから、福島氏は「政策がゆがめられたのではないか」と追及。これに対し首相は「私が働きかけて決めているなら責任を取る」と関与を否定した。地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区は安倍政権の成長戦略の一つ。同学園が運営する岡山理科大は2018年4月、愛媛県今治市の特区に獣医学部の開設を目指している。福島氏は、今年1月に特区での獣医学部認可申請を約1週間受け付け、同大しか応募しなかったことを挙げ、政策決定の経緯をただした。
これに対し首相は、公募期間は8日間でほかの事業とほぼ変わらないと反論。今治市が同学園に土地を無償譲渡することにも言及し、「20年間で25例ある。地方自治体が遊休地で困っているときに一番いいのは学校法人が来ることだ」と問題がないことを強調した。【光田宗義】