宅配大手「佐川急便」の東京営業所(江東区)で運転手の駐車違反を隠すため身代わり出頭が行われていた事件で、警視庁交通捜査課は3日、東京23区内の別の8営業所でも21件の身代わり出頭を確認し、社員やその家族ら44人を犯人隠避容疑などで書類送検したと発表した。立件はこれで54件、計106人となった。
同課は東京営業所の不正発覚後、23区にある同社の他の31営業所の運転日誌や反則切符などを改めて調査。城北(板橋区)▽渋谷(品川区)▽城西(江東区)--など8営業所で昨年1月31日~8月25日、運転手が都内で勤務中に駐車違反で摘発されたのに、家族らを警察署に身代わり出頭させた疑いがあることが分かったという。
新たに立件された44人のうち社員は24人。同課の調べに「免許に傷を付けたくなかった」「会社の評価が下がるのが嫌だった」などと話しているという。
佐川急便は「今後、同様の事案が発生しないように従業員教育の再徹底をはかる」とコメントした。【斎川瞳】