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インドネシア関係悪化も 容疑者に渡航歴

金正男氏とみられる男性=成田空港で2001年5月4日、竹内幹撮影

 【クアラルンプール西脇真一、林哲平】北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏(45)殺害事件で、実行役の女2人と北朝鮮国籍の男たちが「いたずら」動画をインドネシアでも撮影していた可能性が浮上した。マレーシア警察に指名手配された4容疑者にはいずれもインドネシアに渡航歴があり、捜査の進展次第では、両国の伝統的な友好関係に影響を与える可能性がある。

 両国は1964年に国交を樹立。両国間の貿易額は韓国政府の推計で2015年に364万ドル(約4億1000万円)と経済的な結びつきは浅いが、政治的な関係は深い。

 ラヂオプレスが聞いた北朝鮮の公式報道の中で、インドネシアの国名が登場したのは昨年約50回。貿易量が段違いに多いインドと肩を並べる。ジャカルタと平壌は友好都市提携もしている。

 日本人拉致被害者の曽我ひとみさんが平壌に残した家族と04年に再会したのもジャカルタだった。

 今回の事件では、インドネシアを殺害計画の中継基地にしていた可能性もある。外交筋は「物価が安く友好的な雰囲気もあり、彼らには暮らしやすい場所だろう」と指摘する。

 事件を巡って、マレーシアと北朝鮮は、非難合戦を展開している。マレーシアは駐北朝鮮大使を召還し、北朝鮮側は遺体の返還を要求するなど外交問題に発展。インドネシアも北朝鮮の工作に自国民や首都の空港などが利用されたと判断すれば、北朝鮮側に厳しい姿勢で臨むことも考えられる。

 また、ベトナム旅券を持つ女もマレーシア警察に実行犯として逮捕されている。ベトナムは女の身元を確認中と伝えられるが、インドネシアと同様に自国民を工作に利用されたと判断すれば、北朝鮮と関係が冷却化する可能性がある。

 北朝鮮が83年に今のミャンマーのヤンゴンで韓国閣僚らを爆殺したラングーン事件では、ミャンマーと北朝鮮が断交。回復には07年までかかっている。

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