原発事故で避難指示の福島・浪江町長が復興への思い語る

原発事故で避難指示の福島・浪江町長が復興への思い語る
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東京電力福島第一原子力発電所の事故で、全域に避難指示が出されている福島県浪江町の町長が東京・多摩市で講演し、「ふるさとを残すために小さなことから始めていきたい」と復興に向けた思いを語りました。
浪江町の馬場有町長は、被災地の支援を続けている多摩市の商店会が開いた催しに招かれて講演しました。

馬場町長は、原発事故から6年になる今も全域で避難指示が続いている現状に触れ、「町民は全国各地に避難し、ばらばらになっている。6年たっても復興はまだで、心は空っぽだが、全国の支援を糧にして、何とか前を向こうとしている」と語りました。

そのうえで、政府がことし3月31日に帰還困難区域を除いて避難指示を解除する方針を示していることについて、「避難指示が解除されれば、町にロボット産業など新しい産業を誘致する予定だ。教育や就労の課題もあり、町にどれだけ住民が戻るか分からないが、いつでも戻ってきてもらえるよう環境を整えていきたい。まずは、ふるさとを残すために小さなことから始めていきたい」と復興への思いを語りました。

講演を聞いた70代の男性は「長年育ったふるさとに、さまざまな事情で戻れない人もいて難しい問題だと感じました」と話していました。