フェイクニュースの拡散にどう対応 米の科学者が議論

フェイクニュースの拡散にどう対応 米の科学者が議論
SNSなどで拡散するフェイクニュースにどう対応すべきか、科学者たちが話し合うシンポジウムがアメリカで開かれ、情報源を確認し、複数の観点から考えるよう伝えていくことが重要だなどとする意見が出されました。
アメリカでは大統領選挙をめぐって、「ローマ法王がトランプ氏への支持を表明」などといったフェイクニュースがSNSを中心に拡散し、選挙結果にも影響が出たと指摘されています。

アメリカ東部のボストンで18日、開かれた世界最大の学術団体、AAAS(トリプルエーエス)=アメリカ科学振興協会のシンポジウムでは、科学者たちがフェイクニュースにどう対応すべきか、話し合いました。

この中で、エール大学のダン・カハン教授は、フェイクニュースが広がる心理学的な背景について報告し、銃規制の効果に関する研究を例に挙げながら、自分が信じたいようにデータを誤って解釈する人が一定数いるとしたうえで、トランプ大統領が、こうした点を利用して社会の分断を深めていると批判しました。

また、情報の活用能力を研究しているロードアイランド大学のジュリー・コイロ准教授は、情報の信頼性を見分けるためには情報源を確認し、複数の観点から考えるよう、科学者の立場から伝えていくことが重要だと指摘しました。

およそ300人の参加者の1人は「一般の人たちは科学を理解しないまま、誤った意見を持っているように感じることがある。具体的な対応策を知ることができてよかった」と話していました。