巨星が寿命を迎えて超新星爆発を起こした際に放出された鉄は、宇宙空間で金属微粒子として存在するとこれまで考えられていたが、他の元素との化合物として存在するか、他の粒子に不純物として取り込まれている可能性があることが分かった。
北海道大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立天文台の研究チームが観測ロケット「S520」で無重力実験を行った成果で、18日付の米科学誌サイエンス・アドバンンシーズに発表した。
鉄は地球などの岩石質惑星の材料になるほか、生命体につながる有機分子の合成に重要な触媒の役割を果たす。北大の木村勇気准教授は「宇宙の物質進化モデルの書き換えを迫る成果。今後、酸化鉄や、鉄と並んで重要なケイ酸塩のできやすさを調べるロケット実験を行いたい」と話している。
実験は2012年12月、鹿児島県・内之浦宇宙空間観測所から打ち上げたS520・28号機で、弾道飛行中の約8分間の無重力状態で行われた。鉄を約2000度に熱して気体にし、冷えて固体になる様子を観測したところ、鉄同士がくっついて金属微粒子になる確率が0.002%程度と極めて低かった。
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