Appleがミュージシャンや音楽プロデューサー向けに提供している2つのアプリ、Mac向け「Logic Pro X」とiOS版「GarageBand」で無料アップデートが提供され、新しい機能が追加された。
Logic Pro Xは、プロの音楽家がレコーディングや制作を行うためのmacOS向けアプリだ。一方、「GarageBand」は一般ユーザーが手軽に音楽を制作できるアプリで、macOS版とiOS版がある。
Touch BarをサポートしたLogic Pro X
提供:Apple
Logic Pro Xはバージョンが10.3となり、新型の「MacBook Pro」に搭載された「Touch Bar」をサポートするなど、新しい機能が搭載された。その他の主な機能は次のとおりだ。
- macOSのよりフラットなルックに合わせ、モダンな新しいユーザーインターフェイス(UI)を採用した。
- プロジェクトのタイムラインがTouch Barで操作可能になった。また、音量やサウンドエフェクトのコントロールノブなど、個々の設定もタッチ操作で変更できる。
- Logic Pro X内蔵のソフトウェア音源もTouch Barで制御可能で、Touch Barを小さなピアノの鍵盤やドラムパッドとして使うことができる。
- 選択型のエフェクト処理により、プラグインエフェクトをトラックの任意のセクションに適用できるようになった。これは重要な機能に思われないかもしれないが、音楽をミキシングする際にはとても便利だ。
- 代替トラック機能により、オーディオリージョンのさまざまなテイクを作成し、相互に交換できる。
- ミキサーやプロデューサーにとって非常に便利な、改良された64ビットの集約エンジン、オーディオ信号のルーティングに使用する192の追加バス、および本格的なステレオパンニングが搭載された。
GarageBand
提供:Apple
iOS版のGarageBandにもいくつかの新機能が追加された。その多くは、この製品をハイエンド製品のLogic Pro Xに近づけるものとなっている。主な機能は以下のようなものがある。
- 内蔵のTouch Instrumentがより検索しやすい形で分類され、簡単にソートできるようになった。
- Appleが数年前に買収した有名なシンセサイザー「Alchemy」がGarageBandにも追加された。これまで、このシンセサイザーはLogic Pro Xでしか利用できなかった。
- マルチテイク録音により、任意のパートについて複数のバージョンを録音し、入れ替えられるようになった。
- トラック表示用の新しい「インスペクタ」が追加。標準的なチャンネルストリップにより近い動作が可能になり、1回のタップ操作でエフェクトやイコライザなどのツールにアクセスできる。
さらに、どちらのアプリにも新たなクロスプラットフォーム機能が追加された。新しくなった共有オプションにより、Logic Pro Xのプロジェクトを1つのステレオトラックにミックスダウンし、「iCloud」にアップデートしてiOSデバイス上のGarage Bandに取り込める。その後、さらにトラックを追加し(「iPhone」や「iPad」を使ってスタジオ以外で録音した音など)、プロジェクトに統合してから、MacパソコンのLogic Pro Xに戻すことが可能になった。
どちらのソフトウェアアップデートも、1月19日から提供が開始されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。