こんにちは。
くるまかいとり村
村長です。
あなたも中古車を探していて、こう思った事が1度ぐらいあると思います。
ベンツとかBMW、国産車でもクラウンのようなセダンは値崩れが大きいなぁ。
実際、他の普通乗用車と比べて、こういった高級車と呼ばれるジャンルの中古車は新車価格との比率を考えると非常に値落ちが激しいです。
特に、年式が
6年以上経っていると落ち方が激しいです。
例えば1000万円以上するベンツ Sクラスが6年、7年落ちになると300万円台の中古車がたくさん見つかります。
新車価格から考えると、6~7割ほど安く買えます。
対して、新車で250万円強のトヨタ ノアは6、7年落ちで150万円前後ですから
新車価格から考えると、4割ほど安くなっただけです。
ノアはSクラスと比べると、あまり安くなっていませんよね?
なぜ、高級車はこんなににも安くなってしまうのでしょうか?
また、なぜ6年なのでしょうか?
そんな秘密がわかればあなたも格安になった高級輸入車を
あんなに高かった車がこんな値段になるなんて、壊れやすいとか裏があるのかな?
といった
余計な詮索をせず、購入を考えたくなると思います。
それにはちゃんといくつか理由がありますので、お教え致しましょう。
高級セダン車はそれ以外と比べて人気がない
高級車を定義するのは現在いろいろな意見や価値観があって難しいですが、
お金をたくさん持っていないとこの車は選ばないですよね?
という車でしょうか。
選ばない理由としては
- 価格が1000万円とかするので手が届かない。
- エンジンの排気量が大きくて税金が高い。
- ハイパワーだけど燃費が悪い。
- ミニバンと比べると乗れる人数や荷室が少ない。
- 壊れた時、部品や修理工賃が高い。
世の中にお金をたくさん持っている人は相対的に見ると少ないです。
中古車は新車よりも安い値段で買えるというのが大きなメリットです。
しかし、お金に余裕がある人はわざわざ誰かが使った中古車を買わなくても新車が買えるので中古車の価格にあまりメリットを感じません。
対して、上記に例を挙げたノアなどのミニバンは価格も維持費も安く、利便性が良いのでみんなが欲しがります。
中古になれば新車では予算が合わなかった人でも手が届くようになるので、多くの人が欲しいと思い、人気が出るのです。
当然、人気のある車は少々割高な値段をつけてもみんなが欲しいので売れていきますし、逆に人気のない車は値段を下げていかないとますます売れなくなってしまいます。
なので、人気がなく、需要も少ない中古の高級セダンはの価格が下がりやすくなります。
高級ミニバンの出現
ここ近年、売上を急激に伸ばし続けているのが高級ミニバンです。
車種で言えば、アルファードやエルグランドがそうです。
これらは、それまであったバン、ミニバン=商用車のイメージを払拭して、代わりに利便性と高級感、広い居住空間といったそれまでになかった新しい車のコンセプトを打ち出したのでした。
最近ではハイブリッド車も設定され、高級セダンでしか味わえなかった静粛性や余裕のあるパワー感が補われるようになった為、これまで高級セダンにばかり目がいっていた購買層の人達にも人気です。
こうした高級ミニバンの人気も高級セダンの需要を下げ、価格が下がりやすい要因の一つです。
会計上の理由
セダンは経費として認められやすい
ここまでお話しした内容はあなたもちょっと予想できていたと思います。
一般的に馴染みのない理由がこれです。
高級セダンは必要経費で購入されるからです。
高級セダンを買えるような金銭的に余裕のある人は経営者、つまり社長やお店のオーナーが多いです。
こういった人達は会社やお店の必要経費で車を買います。
細かい話をすると、話がそれますので大まかに説明しますね。
会社に勤めてて、給料をもらっている人はあらかじめ所得税を差し引いた金額をもらっていると思います。
しかし、経営者の人は会社やお店で儲けたお金を設備や必要なものに使うと、
その分は『必要経費』となって収入とはみなされず、税金がかからないのです。
会社やお店で儲けたお金はよく「半分は税金で持っていかれる。」といわれています。
なので
税金で持っていかれてしまうぐらいなら、美味しい物を食べたりちょっとイイ車に乗りたい。
と思いますよね?
そこで高級セダンを『必要経費である社用車』として買うのです。
ここで、ポルシェやフェラーリといったスポーツカーではほとんど税務署が認めてくれません。
しかし、4ドアセダンであれば税務署も認めてくれる可能性が高いのです。
新車は経費として処理するのに6年かかる
じゃあ、あなたが例えば1200万円儲けたとしましょう。
税金で半分の600万円持っていかれるのがイヤなので、1200万円のベンツを買うとします。
これで儲けた1200万円全て経費に使っちゃったので課税対象はゼロ!イェーイ!
という風にはいかないんです・・・
世の中には原価償却というのがあって、1年以上使えて、10万円以上するものは税務署が決めた方法で少しずつ経費にあてられます。
それが、新車の場合は6年です。
なので、1200万円で買った車は1年に200万円経費として計上されます。つまり、
毎年200万円の黒字に対しては必要な経費なので税金がかからないのです。
つまり単純に考えると、
黒字1200万円では600万円が税金で持っていかれていたのに対して、
200万円必要経費となれば
税金は1000万円の半分、500万円で済むわけです。
(わかりやすく、非常に単純に書いています。本当はもう少し細かくて、ややこしいです。)
なので、この6年を過ぎると、経費として消費しなくなるので、皆さんこれを期に買い換えるのです。
そうすると、6年経った車が市場に中古車として多く流通し始めます。
これが中古車販売店にとってはやっかいです。
需要が元々少ないのに供給量が増すのです。
そこで需要と供給のバランスが一気に崩れて格安中古車が出現するのです。
新しいめの中古高級セダンは需要アリ
中古車販売店にとってやっかいなだけにも見える高級セダンですが、実は6年落ちまでの車については需要があります。
なので中古車も6年落ちぐらいまでは、ある程度高い価格をつけています。
これもまた、経営者の人達の会計に関係があります。
中古車の場合、原価償却年数は経過した年数を新車の6年から引いていきます。
4年落ち以上であれば原価償却は2年です。
例えば1200万円のベンツは新車で買えば毎年200万円の必要経費として計上されます。
なので年間200万円までの黒字は所得とされず税金がかかりません。
しかし、4年落ちのベンツを800万円で買ったとします。すると、
原価償却は2年なので年間400万円までの黒字は所得とされず税金がかからないのです。
(実は上手くやれば実質1年で償却する方法もあります。)
新車よりも1年の必要経費が200万円から400万円と大きくなりましたね。
こうした理由から、年間の黒字が大きい会社の経営者はわざと金額の高い中古車を選ぶ為、需要があるのです。
さらに言えば、減価償却が終わる6年まで手放さない人が多いので中古車の流通量も少ないので価格は安定します。
まとめ
中古の高級セダンはこうした会計上の仕組みと需要と供給の関係によって価格が急激に下落しやすいのです。
高級車は無論、コストが十分にかけられている為乗り心地がよく、他にはない贅沢感を味わえます。
心配なのは故障についてだと思いますが、高級車は元々コストがかけられている為めったに壊れるものではありません。しかしながら、壊れてしまうと交換部品も同じくコストがかけられたものですから高額となります。
こういった点が気になる方は購入時に保証制度がないかお店と相談して購入しましょう。
実際中古車を見てみると、走行距離が年式のわりに長くなっている車も多いです。
これは、高級車は長距離を乗っていても疲れないので、前オーナーがどこへ行くにもついつい乗ってしまっているからです。
最近はハイブリッドカーや3.5L以下の控えめなエンジンも設定されていて維持費も昔ほど厳しいものではないので、あなたも6年落ちした中古高級セダンを選んでみてはいかがでしょうか。
また、今高級セダンを乗っている人は値段が急激に下がってしまわないうちに乗り換えるのが賢い乗り換えと言えるでしょう。
そして、乗り換えるときにはディーラーで下取りに出してはいけません。
詳細は次の記事でお話しします。