指導を誤ると故障にもつながる!
キャッチャーの正しいスローイングを指導しましょう!
〇キャッチャーのスローイングはステップが重要!
以前キャッチャーのキャッチングについてまとめました。
今回はキャッチャーのスローイングについてまとめたいと思います。
まず、さっそくですがこちらの動画をご覧ください。
はい、メジャーの強肩キャッチャーのスローイング特集でした。
膝をついていてもアウトとかめちゃくちゃで、地肩がすごすぎるので、あまり参考になりません(基本に忠実にやっている選手も動画にいますが速すぎてよく分かりません)。
そこで、こちらの動画をみましょう。
昨年の巨人の那覇キャンプの様子です。
キャッチャーの2塁送球の際の身体の使い方を徹底的に練習しています。
この練習では特に送球時に身体が伸びてしまわないように低い姿勢のまま投げることに重点をおいているようです。
注目して欲しいのはステップです。
特に3人のうち最初に行う小林選手の動きをよく見てください。
キャッチャーの2塁送球時のステップは
①左膝を2塁方向へ倒す。
②①の反動を活かして右足を2塁方向へ垂直になるように小さく一歩前へ素早く踏み出す。
③左足を2塁方向へステップして送球する。
という三つの動きで構成されています。
この練習は基礎の基礎ということでこの流れを非常に丁寧にやっているのがお分かりいただけますでしょうか?
実はプロ野球選手やメジャーリーガーのレベルになるとこのステップをしっかりとしなくても、先の動画のように地肩の良さでランナーを刺せてしまうこともあります。
先の工程の①や②が省かれて、③だけで刺すというシーンもよく見ます。
ただし、小学生や中学生に③のステップだけで送球させることは絶対におすすめできません。
2塁へは距離もある上、ランナーとのスピード勝負になってしまいますから、どうしても無理に強く投げがちです。
そこにさらにしっかりとしたステップを踏まないで肩の力だけで投げたらやはり故障につながってしまいます。
実際、小中学生の肩肘の故障がピッチャーの次に多いのがキャッチャーです。
したがってこの①~③のステップをしっかりと覚えることで肩の負担を減らすことが重要になります。
球審などをして見ていると、このステップができていない選手は正直8割くらいです。
まず①の左膝を使うということがほとんどできていません。
いきなり右足が出てきます。
その右足も2塁方向ではなく、その場でステップしたり、サード側にステップしてしまう選手がかなり多いです。
初めはゆっくりで構いません。
指導者の方々、もう一度キャッチャーのステップを見てあげて、①~③をしっかりとできるようにしてあげてください。
また、この際に上体が伸びあがると遅い上に送球も浮きますから、低い重心のまま投げれるように練習しましょう。
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〇小林選手の握り替え
この動画はみなさん疲れていますが、(実際は相川選手なんかはもっとすばらしい動きができる方だと思うのですが)ステップ以外にも小林選手の良いところがあります。
相川選手が初めのほうでポロポロと握り替えに失敗しているシーンがありますよね。
それに対して小林選手は握り替えに失敗しません。
これは緩いボールだからより握り替えが難しくなっているのもありますが、小林選手が技術的にすばらしいところがあるからでもあります。
小林選手は握り替えをほぼミットがボールをキャッチした場所で行っています。
ミットの下に右手を持っていき、そこで握り替えてトップの位置に持って行っています(縦回し)。
それに対して相川選手はキャッチした後にミットを右手側に回すような形で持って行って握り替えをしようとしています(横回し)。
このやり方だと動画のように握り替えに失敗し、自身の右側にボールをこぼしやすくなります。
また、ここからスローイングをするとミットを横に回している分、身体が横回転になりやすいので送球が左右にそれやすくなってしまいます。
したがって私は小林選手のミットの下に右手を持っていく握り替えを推奨しています。
この握り替えだと、送球が縦にずれても横にはずれにくいです。
ぜひ試してみてください。
ちなみにその握り替えにするには以前お話しした左肘を上げたキャッチングが適しています。
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