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DeNAの「キュレーションメディア」とは何だったのか?(2017.01.18)

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■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はDeNAのキュレーションメディアの問題について、話し合います。

DeNAのキュレーションメディア問題に物申す!

■DeNAの「キュレーションメディア」とは何だったのか?

房野氏:DeNAの「WELQ」に始まったキュレーションメディアの問題について、思うところを言っていただこうと思います。

房野氏
房野氏

法林氏:モバイル業界の話題か、という点はあるけどね。

法林氏
法林氏

石野氏:いや、「nanapi」も記事を削除しているし、KDDIに飛び火しましたよ。

石野氏
石野氏

石川氏:DeNAはモバイル出身ですからね。

石川氏
石川氏

法林氏:DeNAの話だったら、かつて本(『モバゲータウンがすごい理由』毎日コミュニケーションズ)も書いた石野君から話してほしいね。

石野氏:あの事件はがっかりですよ。がっかりというか残念というか。そもそもキュレーションを始めるときに、なぜ? と思っていたんです。ここにいるみなさんは分かると思うけど、メディアなんて真っ当にやったらそんなに儲からない。それを、あの急成長を是とするDeNAが、「iemo」と「MERY」を50億円もかけて買収してメディア事業を始めるといったときに、「大丈夫かな、守安さん(DeNA 代表取締役社長兼CEO 守安 功氏)」と思いましたよ、正直なところ。で、蓋を開けてみたら記事はパクリだらけ、著作権おかまいなし。『霊が肩に乗っかっている』とか『牛丼を食べるとアレルギーになる』とか、変な記事を量産していた。あのやり方は儲かるんだろうけど、リスクを低く見積もりすぎていたんじゃないかな。

 メディアは真っ当にやったらすぐには儲からないし、ああいうやり方だと、そりゃ儲かるかもしれないけれど、コンプライアンスや炎上のリスクが高すぎる。どこに勝算があって始めたのか、まったく分からなかった。自分はDeNAがあのサービスを始めたときに「DeNAも遂にダークサイドに堕ちたか」みたいなことをつぶやいていたんです。だから、案の定という感じもしている。守安さん本人も言っていますが、売上が徐々に落ちている中で、焦りがあったのかな。50億円でハリボテのような事業を買収しちゃって株主に怒られても仕方がないですし、今後、キュレーション事業の会社を売った側と売られた側で、訴訟に発展してもおかしくないだろうなと思います。

 いろいろ残念な感じはするんですが、これを機に浄化してもらいつつ、ついでにLINEがやっている「NAVERまとめ」も炎上してもらいたいですね。

石川氏:会見場にいて1つ思ったのは、彼らは本気でメディアをやる気はなかった、お金儲けの手段でしかなかった、ということ。あの空間を、非常に滑稽に感じました。追求する側は、みんな午後の忙しい時間、15時半に集まるべく、渋谷の坂をわざわざ登って会場に行っているわけですよ。3時間の会見を聞いた後、ニュースにするために原稿にまとめたり映像を編集したりする。わずか数百文字、数分のビデオを作るために、たくさんの人が働いている。そうやって、そんなに儲からないコンテンツを作っています。そういった人たちの前で、DeNAの会長、社長、役員の3人が謝らざるを得ないのは仕方がない。安く買い叩いてコンテンツを作って儲けようとしたんだから。我々はなんだかんだいって、伝えようという気概があってやっている。1文字1円じゃないけどギャラが安くても仕方ないと諦めつつ、自分の思っていることを伝えられることの楽しさもあって仕事を続けている。

 ああいったIT企業の人たちが、自分たちをメディアだといっていることに対して、ずっと前から違和感を抱いていたんですが、それが形として出てきたのかな。メディアといっているけれど本気でやる気はないということが、よく分かった。メディアで儲かっているのは、参入障壁の高いところでやっている人たち。インターネットメディアはそう儲かるものではない。そこは自分たちが一番よく分かっているでしょ、と感じました。

 守安さんが「食べログみたいなサイトが伸びているから、ああいったものを作る」という話をしていたけれど、食べログはそもそもユーザー自身が好きで写真やレポートを上げているからビジネスとして成立するのであって、他から借りてきたもので儲けようというのは間違っている。

 これから我々がすべきことは、自分たちの写真やテキストがコピーされていないかをチェックして、されているのであれば掲載している媒体に請求書を送ること。弁護士事務所には、ぜひとも「過払い金」ならぬ、「過著作コピー権」を回収してほしい(笑)

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