■金利低下を嘆くよりいい商品を探し選ぶ
マイナス金利政策により、預金金利は目を凝らさなければ見えないほどの水準まで下がっています。
「タンス預金、普通預金、定期預金、どれが一番マシか? 」というお題を頂きましたが、まず述べておきたいのは、冷静に考えるとゼロ金利の影響は思うほど大きくない、ということです。
そもそも低金利は今にはじまったことではありません。ゼロ金利政策が導入される前0.02%だった普通預金金利が今は0.001%と、たしかに金利は下がりました。100万円を1年間預けた場合の利息は200円から10円に減りますが、実のところ、わずかな変化と捉えることもできます。
アベノミクスで円安が進み(今は円高ですが)、食料品など、一部のモノの値段は上がりましたが、ユニクロが低価格路線に戻すなど、物価は上がりきらない状況。つまり、お金の価値は下がっておらず、元本をキープするだけでも資産の実質的価値は増えることになります。今のところ、お金が大きく増えなくても問題はないのです。
ただし、アベノミクスが物価上昇率2%を目指している以上は、「少しでも有利なものを選ぶ」という習慣を身に付けておくのが賢明です。
預金なんてどう選んでも大差ないと思っている方が多いようですが、実は銀行によって預金金利には大きな差があります。いい商品をしっかりと選べば、ゼロ金利政策前にメガバンクが付けていた金利よりも高い金利を得ることも可能です。金利低下を嘆くより、いい商品を選ぶほうが建設的なのです。
■すぐ引き出せる定期、2週間満期預金とは
では、タンス預金か、普通預金か、定期預金かを考えていきましょう。
まず断言したいのは、タンス預金はだめ、ということです。
タンス預金なら、マイナンバーで資産が捕捉されることもない、と考える人がいるかもしれませんが、空き巣や、地震や津波、豪雨といった自然災害で失う可能性もないとはいえません。金利が付かずに一切増えないというだけでなく、丸々失うリスクもあるわけです。インフレが起きれば、利息がまったく付かないタンス預金は実質的価値が目減りする一方です。
残るは普通預金と定期預金ですが、どちらが有利かというより、資金の性質に応じて使い分けるのがセオリーです。
日々の生活費や、病気やケガ、冠婚葬祭などに備えて生活費の3カ月分程度はいつでもおろせるお金(流動性資金)をキープしておく必要があり、それは普通預金に預けます。
それ以外に、教育費など、数年先に使う予定のお金(安全性資金)は元本を守りながら普通預金よりも有利に増やせる定期預金を利用するのが賢明です。
どちらが有利かではなく、目的に応じて、有利な普通預金、有利な定期預金を選ぶのです。
普通預金はいつでも引き出せる利便性を優先させるのがベストですが、少しでも有利にしたいなら、新生銀行の「2週間満期預金」が候補に挙げられます。
2週間満期の定期預金ですが、期間が短いですし、途中で解約しても元本割れはしません。定期預金でありながら、普通預金感覚で使える、というわけです。
現在の金利は0.05%と、メガバンクの普通預金(0.001%)の50倍。満期後は利息が元本に組み込まれ、自動継続されます。インターネットで手続きする場合、預け入れは50万円からで、50万円を複数口預ければ、必要なときに、必要な口数だけ解約できて便利です。私も利用しています。
新生銀行では他行への振込手数料が月1回、普通預金や2週間定期の残高が100万円以上あれば月5回、無料になるのも魅力。節約も、利息も、経済的効果は同じです。金利が低いときには金利以外のプラスαの特典に注目することも大切です。
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