子育てに積極的な男性「イクメン」がもてはやされる中で、“イクメンブルー”に陥る父親が増えている。子育て相談電話には、仕事と育児の両立への切実な悩みが寄せられ、現場の父親からは「自分の時間がない」とのぼやきも。妻の出産後、2割弱の男性がうつ傾向を示したとの調査もあり、専門家は「日本の父親は多忙。長時間勤務を是正しなければ、父親が危ない」と訴えている。(加納裕子)
「自分の時間がほしいが、それを妻には言えない」「スマホを見ていると妻が怒る」「洗濯をしたら満足してくれていたのに、そのうち妻から『たたんでいない』と不満を言われるようになった」……
11月中旬、兵庫県西宮市の森永乳業近畿工場で開かれた「子育てサポートセミナー」。参加した父親らが育児をめぐる悩みを吐露していた。
この日、“先輩パパ”としてアドバイザーを務めた製造部の岩前信治さん(32)は、4歳と3歳、1歳の3人の子供の父親。妻が3人目を出産した際には、2週間の育児休暇を取得している。乳児を抱える“新米パパ”らに「まずは妻に1人の時間を持ってもらい、頃合いを見て『自分も……』と言った方がよい」とアドバイスした。
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