産経WEST

【メガプレミアム】顔面火あぶり、監禁、踏みつけ…「邪魔な存在」3歳児を不条理な死に追いやった虐待地獄 救える命救う仕組みを

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【メガプレミアム】
顔面火あぶり、監禁、踏みつけ…「邪魔な存在」3歳児を不条理な死に追いやった虐待地獄 救える命救う仕組みを

3歳男児に対して日常的に激しい暴行を加えていた養父と実母。ときには顔面をライターであぶり、浴槽で後頭部を踏みつけていた。2人は傷害致死など3つの罪で起訴されたが、救える命を救う仕組み作りが求められている 3歳男児に対して日常的に激しい暴行を加えていた養父と実母。ときには顔面をライターであぶり、浴槽で後頭部を踏みつけていた。2人は傷害致死など3つの罪で起訴されたが、救える命を救う仕組み作りが求められている

 一方、児童虐待問題に取り組む関係者は「虐待をする親が執拗(しつよう)に子供を自分の手元に置こうとするのは、決して珍しい行為ではない」と明かす。

 「子を虐待する親は精神的に不安定で、親という役割を実感することで心の安定を図ろうとする人もいる。子供を児相に保護されると『親失格』の烙印(らくいん)を押されたように感じ、強く反発してしまう」。関係者はこう解説し、「児相は保護解除後も家庭訪問だけでなく、子育ての様子を長時間観察し、間違っていることを細かく丁寧に教えてあげるなどの手厚いアフターケアをする必要がある」と訴える。

 児相の所長経験もあるNPO法人「児童虐待防止協会」(大阪市)の津崎哲郎理事長は「日本では児相が子供の保護と親の指導という両方の役割を担っているが、アメリカでは行政と裁判所でその役割が分担されている」と、日本の児相が抱える制度的な問題を指摘。「子供を保護すれば親から反発される可能性は高く、この2つの役割を両立させるのは難しい。制度の改正を社会全体で本格的に議論する必要がある」と話している。

(2016年10月10日掲載)

■産経ニュースが日々お届けするウェブ独自コンテンツの「プレミアム」。人気のあった記事を厳選し、【メガプレミアム】として再掲します。人物の年齢や肩書き、呼称などは原則として掲載時のままとなっております。

「産経WEST」のランキング