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【トレンド2017】
桜散る離婚届、アニメ絵入り出生届…もはや何でもメモリアル 役所への提出書類がおしゃれに
役所の窓口に提出する書類が様変わりしている。花柄や人気キャラクターのイラストなどが印刷され、華やかに。婚姻届、出生届、そして、あろうことか離婚届まで…。留まるところを知らないメモリアルの“進化”を追ってみた。(文化部 玉崎栄次)
バラの離婚届 花言葉は「愛情の薄らぎ」
「実は今のところ、それほど売れていないんです」
インターネット上で華やかな絵柄の離婚届を販売する「離婚届工房KIKUNO」(福井県鯖江市)を運営する若山大輔さんはそう説明する。販売サイトを立ち上げたのは平成28年1月だ。
同工房の離婚届には、氷の結晶をモチーフにしたデザインや、桜が散る絵柄などさまざまなデザインがある。いずれも、モダンでおしゃれだが、そこはかとなくもの悲しい雰囲気を醸し出している。そして、奥深い。例えば、黄色いバラの絵柄のものは、花言葉を考慮して制作された。「嫉妬」「愛情の薄らぎ」-。
書き損じたときのために3枚1セットで販売している。価格は税込み1122円。「いい夫婦」の語呂合わせだが、何ともいえないユーモアを感じさせもする。
若山さんは「近年は『円満離婚』が社会的なキーワードになっている。男女が別れることになっても、どんよりと気を重くするのではなく、将来を見つめてほしいという思いを込めて制作している」と説明する。
もちろん、役所には問題なく提出できる体裁を整えている。実は、若山さんは行政書士としても活躍している、行政文書作成のプロフェッショナル。離婚届の証人代行サービスなども行っている。